研究課題/領域番号 |
23K11886
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(機構本部施設等) |
研究代表者 |
藤原 豊史 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(機構本部施設等), データサイエンス共同利用基盤施設, 特任准教授 (80815176)
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研究分担者 |
土肥 栄祐 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第三部, 室長 (00719213)
山口 敦子 東京都市大学, デザイン・データ科学部, 教授 (10346108)
山本 泰智 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(機構本部施設等), データサイエンス共同利用基盤施設, 特任准教授 (50470076)
申 在紋 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(機構本部施設等), データサイエンス共同利用基盤施設, 特任研究員 (70854199)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 症例情報管理システム / 希少・遺伝性疾患 / CaseSharing / Phenopackets / 症例情報国際共有 / 症例情報統合化技術 / 症例情報共有・統合 |
研究開始時の研究の概要 |
臨床現場で蓄積された症例情報を個別化医療に役立てる取り組みが多くの疾患領域で始まっている。特に、希少・遺伝性疾患では、各疾患の患者数が少ないため個々の医療機関が蓄積できる症例は限られており、症例情報を統合し、国内外で共有する重要性が高まっているが、共有されている症例はごく一部に留まっている。 そこで本研究では、日本語で記述された患者の基本情報、診療情報、遺伝子型情報などを含む症例情報を、半自動で統制語彙と関連付ける統合化技術を開発し、さらに同技術を組み込んだ症例情報管理システムを開発する。統制語彙と関連付け、情報を標準化することで、日本の症例を国際的に共有することが容易となる。
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研究実績の概要 |
本研究の当初の目的は、我々が症例情報を集め症例データベースを構築することであった。しかし、調査の過程で、国内外の症例情報をクラウドに集めるのは現実的ではないことが判明した。そこで、我々は、症例情報管理システムCaseSharingを構築し、同システムで症例情報を管理しているユーザ同士が症例情報を共有できる仕組みづくりを目指した。 希少・遺伝性疾患症例情報を国際的な共有を前提として管理できるシステムの仕様を、国内外の動向と共に調査した。その結果をもとに希少・遺伝性疾患症例情報管理システム「CaseSharing」の仕様書を作成した。仕様書をもとに、本邦初の日本語で利用できる希少・遺伝性疾患症例情報管理システムCaseSharing(https://pubcasefinder.dbcls.jp/casesharing)を開発し、2023年6月にベータ版としてリリースした。CaseSharingはGA4GHが推奨する症例情報共有形式Phenopacketsの出力、表計算形式で症例情報を管理、統制語彙への自動関連付け、家系図を自動生成、症例情報の統計情報可視化などの機能を備えている。 国内ではAMEDが主導する難病全ゲノムイニシアチブに対して研究紹介を行い、彼らが全ゲノム解析を請け負う際の窓口となる検体管理システムとCaseSharingとを連携させることが決定した。この連携を通じて全国の難病研究班に所属する臨床医・研究者がCaseSharingを活用し、彼らが保持する検体の臨床情報を整理することが可能となる。今後、CaseSharingのユーザ同士が症例情報を共有できる機能を実装し、CaseSharingを通じた仮想的な症例データベースの実現を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
希少・遺伝性疾患の症例情報を国際的に共有するためのシステム仕様を検討する際、国内外の動向を調査した。海外では、PhenoTips(希少・遺伝性疾患症例情報管理システム)、DECIPHER、MyGene2、UDN(希少・遺伝性疾患症例データベース)を調査し、国内ではIRUD Exchangeを調査した。これらの調査結果を基に希少・遺伝性疾患症例情報管理システム「CaseSharing」の仕様書を作成した。 この仕様書を基に、日本初の日本語対応の希少・遺伝性疾患症例情報管理システムを開発し、2023年6月にベータ版をリリースした。CaseSharingは、症例情報をクラウドに集めるのではなく、ユーザー自身のコンピュータに保管し、GA4GHが推奨するPhenopackets形式に自動変換することで、国際的な症例情報の共有を可能にする。また、多くの日本の臨床医・研究者がエクセルなどの表計算ソフトを用いて症例情報を管理している現状を踏まえ、表計算形式での情報管理が可能である。さらに、統制語彙への自動関連付け、家系図の自動生成、統計情報の可視化機能も備えている。 国内ではAMEDが主導する難病全ゲノムイニシアチブに対して研究紹介を行い、彼らが全ゲノム解析を請け負う際の窓口となる検体管理システムとCaseSharingとの連携が決定した。この連携により、全国の難病研究班に所属する臨床医・研究者がCaseSharingを活用し、保持する検体の臨床情報を整理することが可能となる。
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今後の研究の推進方策 |
優先順位を明確にし、まずはAMEDが主導する大規模プロジェクトとの連携を積極的に進める。これにより、症例情報管理システム「CaseSharing」に対するユーザのニーズを吸い上げ、他の追随を許さないシステムに昇華させることを目指す。また、国際的なネットワークを強化し、長期的にはアジアをはじめとする世界各国の症例情報を集約するデータベースとしての発展を目指す。 具体的には、CaseSharingの利用率向上を目指し、AMEDが推進する難病全ゲノムプロジェクトとの連携を深めることが必要である。これにより、国内の数多くの臨床医・研究者がCaseSharingを利用する。また、国際的な症例情報の共有を促進するため、Matchmaker Exchangeプロジェクトを通じた国際連携も視野に入れる。現在、世界で4億人と推定される希少・遺伝性疾患の患者のうち、Matchmaker Exchangeプロジェクトで集めた症例は約20万件であり、我が国が国際的に共有している症例は100件に満たない。この状況を改善するため、誰でも利用でき、かつ症例情報をクラウドではなくユーザ自身が管理できるCaseSharingの利便性を活かし、国際的な症例共有を促す。 また、CaseSharingの利便性をさらに向上させるために、ユーザーフィードバックを収集し、システムの機能を強化する。具体的には、ユーザー同士が症例情報を共有できる機能を実装し、仮想的な症例データベースを構築する。これにより、研究者間の情報交換が容易になり、希少・遺伝性疾患の研究が進展することが期待される。さらに、国内外の動向を注視しつつ、既存の症例情報管理システムとの互換性を保つための改良を続ける。GA4GHが推奨するPhenopackets形式への自動変換機能を活用し、国際的な基準に適合した情報共有を実現する。
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