研究課題/領域番号 |
23K11888
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐々木 東 北海道大学, 獣医学研究院, 講師 (00754532)
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研究分担者 |
工藤 信樹 北海道大学, 情報科学研究院, 学術研究員 (30271638)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アンチバブル / マイクロバブル / 超音波 / ドラッグデリバリー技術 |
研究開始時の研究の概要 |
膀胱癌治療法には過去30年間大きな変化がなく、アンメットニーズが存在する。膀胱癌の特性を鑑みると、抗がん剤の膀胱内注入療法に膀胱内でのドラッグデリバリーを組み合わせは低侵襲かつ効果的な治療法であり、アンメットニーズの解決策になりうる。超音波と気泡によるドラッグデリバリー技術であるソノポレーションはその作用機序から、膀胱内ドラッグデリバリー手法として適する。本研究では抗がん剤を気泡内に閉じ込めた新規超音波応答粒子アンチバブルを使用することで、安全かつ効果的な膀胱内ドラッグデリバリーの実現を目指す。
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研究実績の概要 |
アンチバブルは、内部に液体を包み込んだマイクロサイズの気泡である。超音波照射によって大きさが変化するという気泡としての特性を保ったまま、内部に薬剤を封入できる可能性を持つため、超音波照射によるドラッグデリバリーシステムに有用と考えられている。本研究では、膀胱癌に対する膀胱注入化学療法の一助として非侵襲的なドラッグデリバリー法を開発するためにアンチバブルに着目し、アンチバブルを膀胱内投与し、超音波照射と併用した膀胱内ドラッグデリバリー法の開発を目指している。 初年度には第2世代アンチバブルによる検討を行った。蛍光色素FITC-dextran封入第2世代アンチバブルは、第1世代アンチバブルと比較して均一なマイクロサイズの気泡となっていたが、FITC-dextranの封入率は必ずしも満足できるものではなかった。当初より想定している膀胱内注入のin vitroモデルとしてヒト膀胱癌由来株細胞UM-UC-3をⅠ型コラーゲンゲル上に培養し、FITC-dextran封入アンチバブルと超音波によるデリバリーを試みた。複数の超音波条件により細胞内デリバリーを目指したが、いずれの超音波条件でも細胞内へのFITC-dextranのデリバリー効率は低かった。そこで、蛍光色素の封入率を高めた第3世代アンチバブルを研究に供した。第3世代アンチバブルと超音波を上述のin vitroモデルに適応したところ、超音波条件によっては細胞膜透過性の亢進は確認できた。また、高速度カメラの撮影により、第2世代ならびに第3世代アンチバブルは高音圧の超音波照射により振動することが観察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第2世代ならびに第3世代アンチバブルと、アンチバブルの改善は進んでいるが、ドラッグデリバリー効果は十分と言えず、さらなる改良が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
超音波特性に合わせて粒子系を変え、さらに内包する蛍光色素を変更した第4世代アンチバブルを作成し、3次元培養系でのデリバリー評価を行う。さらに、高速度カメラ観察により、アンチバブル内部の液胞からの蛍光色素を確認する。これらin vitroでの十分な知見が得られた暁には、抗がん剤内包アンチバブルの作成ならびにドラッグデリバリーの評価を行う。
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