研究課題/領域番号 |
23K11895
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
藤澤 真義 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (40766656)
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研究分担者 |
大原 利章 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (40623533)
松川 昭博 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90264283)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | AI / パラフィン切片 / ミクロトーム / HE染色 / 品質管理 / 病理診断 / 標準化 |
研究開始時の研究の概要 |
病理診断は、体から取り出した組織を非常に薄く(4μm)スライスしたものを顕微鏡で観察し細胞を観察することで成り立っている。スライスは熟練を要する手作業で行われ、施行者による厚さのばらつきが非常に大きい。厚さが異なれば、像も異なる。病理医はこのばらつきを勘案した上で診断できるが、人工知能(AI)はそのことを知らないので、誤った判断を下す可能性がある。この研究は、通常の顕微鏡で撮影したスライスの写真から、AIを利用してその部分の厚さを自動的に推定できる技術の作成を目標とする。スライスの厚さを簡単に評価できる方法はこれまでになく、本技術は、AIを病理診断に適切に応用するうえでの基盤となるだろう。
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研究実績の概要 |
切片の顕微鏡画像から切片の厚さを作成するAIモデルを作成するという目標にあたり、まず、どの段階の切片が評価に適しているか、基礎検討を行った。パラフィン切片、脱パラフィン後、HE染色後の切片の厚さを計測し、比較検討したところ、脱パラフィンする時点で切片の厚さが大きく変化することを見出した。また、この厚さの変化の程度は組織により異なることも判明した。厚さの変化を組織内の部位ごとにHE染色と照らし合わせて検討したところ、組織内の構造物ごとに減少率が異なり、変化率を前もって予測することは不可能であると判明した。またHE染色を施したのち厚さの測定をすると、その後の顕微鏡での観察に支障をきたすことが分かった。以上より、パラフィン切片ではなく脱パラフィン後の切片をAIでの評価に用いるべきであるという結論を得た。また、厚さを精密に測定するための切片作成方法、測定条件の最適化も行った。以上の結果を得て、脱パラフィン切片を用いてAIモデルの作成を本格的に開始することにした。 複数の組織から、厚さを10段階程度に分けた切片を作成し、厚さを測定した上でHE写真を撮影し教師データとした。複数のアーキテクチャで試行したところ、ベースアーキテクチャVGG16, 最適化関数Adam が適していることが分かった。現時点でのAIの切片厚推定試行の精度の最高の成績は R2 score 0.921, RMSLE 0.071, MAPE 0.088 である。ただ、より高解像度で厚さを推定するためにオリジナルの画像を細かく(4分割、16分割)パッチ化して教示データとし、これを解析すると、判定精度が悪くなった。判定精度を維持しつつ、解析の解像度を上げ、かつ汎化精度を上げるのが今後の課題出ることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基礎的な条件検討が概ね完了し、またAIで切片厚の判定が可能であることも判明した。今後はデータ数を増やし、AIの条件を調整することで精度を増していくという方向性が決定した。
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今後の研究の推進方策 |
・教示データの数、種類を増やす:現状は23種類の組織であるが、これを100種類まで増やし、人体のどこから採取されたサンプルであっても対応できるようにシステムを構築する。 ・AIモデルの精緻化:判定精度を維持しつつ、より高い解像度で厚さの判定ができるようにモデルを改良していく。これまで用いた識別系AIでなく、生成系AIも検討する。
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