研究課題/領域番号 |
23K11906
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
長谷部 友紀 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 助教 (90623843)
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研究分担者 |
山岡 利光 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (40384359)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 末梢血循環癌細胞 / リキッドバイオプシー / 非小細胞性肺癌 / 薬剤耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
非小細胞性肺癌に大変有効な薬剤は種々あるが、多くの患者が治療抵抗性を起こし再発に転じる。一方、末梢血循環癌細胞検査は低侵襲な液体生検の一つとして重要視されているが、同定率が安定しないことが問題となっている。 本研究では高感度な末梢血循環癌細胞の同定法の開発および薬剤耐性に関わるマーカーの同定を行い、非小細胞性肺癌の薬剤耐性獲得ポイントの早期判定を行うことを目的とする。本研究は非小細胞性肺癌に対する適切な薬剤選択に寄与し、結果として患者負担の軽減および医療経済に大きく貢献すると考える。
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研究実績の概要 |
肺癌の薬物療法において分子標的治療薬は高い有効性を示すが、ほとんどの症例において数年の間に耐性を生じて再発してしまうことが問題となっている。耐性を生じた際に速やかな薬剤変更が求められる。我々は液体生検の一環として、末梢血中の癌細胞数を直接的に捉える検査方法である血中循環腫瘍細胞(CTC)検査に着目をした。CTC検査は早期の段階で現治療法の有効性を判定出来き、臨床的利用価値を有する検査方法である。しかし、上皮細胞マーカーであるEpCAM抗原をターゲットとした従来の方法では、上皮間葉転換(EMT)を起こしたCTCの捕捉率は安定しない。本研究では、EpCAM 抗原の発現の有無に左右されない高感度な末梢血循環癌細胞の同定法の開発および薬剤耐性に関わるマーカーの同定を行い、非小細胞性肺癌の薬剤耐性獲得ポイントの早期判定を行うことを目的としている。 研究初年度は、数種の非小細胞性肺癌株における細胞表面マーカーの探索を行った。本検討において、EpCAM発現の低い細胞株においても高効率に検出できる細胞表面抗原を同定することができた。本抗原はTGF-βによってEMTを誘導した細胞においても発現が変化しなかった。これにより、EMTを起こしたCTCを高感度に検出できると期待できる。一方、使用予定であったCTC濃縮装置の消耗品が入荷しなかったため、他のCTC chip法の検討を行ったが、期待できる程の捕捉率を得るまでに至らなかった。Osimertinib耐性細胞株の作製は順調に進んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
使用予定のCTC濃縮装置のモデル変更および消耗品の変更により、国内における流通が滞ったため、予定していた回収率の検討が出来ていない。よって、やや遅れていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度にCTC濃縮装置の新機種が導入されるため、本装置を用いて回収率の検討を行う。また、2種の非小細胞性肺癌株より作製したOsimertinib耐性細胞株を用いて耐性の有無で発現の変化が確認できる抗原の探索を行う。
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