研究課題/領域番号 |
23K11907
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
丸山 一雄 帝京大学, 薬学部, 特任教授 (30130040)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | マイクロバブル / 超音波 / 膵臓癌 / セラノスティクス / ゲムシタビン / DDS |
研究開始時の研究の概要 |
膵臓癌は代表的な予後不良癌であり、患者のQOLを含む治療効果の改善は喫緊の課題である。膵臓癌の化学療法の第一選択はゲムシタビン(Gem)とナブパクリタキセル(nabPTX)の併用療法で、手術不能時や手術前後に行われるが、副作用の発現頻度が高く、生涯に渡る反復が必要で患者に大きな負担となっている。申請者が開発したセラノスティクバブル(TB)と超音波による薬物の局所到達を効率化する技術、Bubble Ultrasound mediated Drug Delivery System(BUS-DDS)を用いて、化学発癌同所膵臓癌ラットに対して、GemとnabPTXの腫瘍組織への移行量増大を図る。
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研究実績の概要 |
発癌物質ジメチルベンズアントラセン(DMBA)発癌同所膵臓癌ラットモデルの作成をZ. Zhuらの方法(Hepatobiliary Panc Dis Int 14, 208, 2015)を参考に改良して検討した。麻酔をかけた約150gのWistar系雄性ラットを正中開腹し、脾臓と一緒に摘出した膵臓組織に5mg DMBAを100マイクロL の5%カルボキシメチルセルロースに練り溶かしたジェルを塗布して閉腹して約3ヶ月間飼育し、腫瘤(しこり)として確認できるラットを選別した。しかしながら、腫瘤(しこり)として触診で確認できたラットについて、小動物用MRI装置BioSpec3Tで造影を試みたが明解な画像を得ることが出来なかった。再検討を行う。 基礎実験として、マウス膵癌(PAN2)細胞を背部に移植した担癌マウスに対して、Gem 30mg/kgを尾静注し、超音波照射しながら、セラノスティクバブル(TB)を2.5分間隔で10マイクロLずつ4回間欠投与するBUS-DDSを行った。超音波照射は、GE LOGIQ E9超音造影装置に腹部用プローブC1-6を用いて、コントラストモード、周波数2.2MHz、MI値0.2の条件で照射した。その結果、約3.7倍の移行量の結果を得た。Gem腫瘍内濃度測定はLC/MS/MSで行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
DMBA発癌同所膵臓癌ラットモデルについて、Gem+nabPTXのBUS-DDSを検討中である。DMBA発癌同所膵臓癌ラットモデルの製作に最低3ヶ月を要するため、また発癌性物質の使用のため、実験動物施設での制約が多く、例数を増やせないのが難点である。超音波装置にパラメーターを種々に設定できる、株主総会MU研究所のCSI-pr1-6を用いて行う。周波数を1MHzに固定し、MI値を0.2、0.7、1.2と変化させ、および照射時間も変化させ薬物の腫瘍内移行濃度を測定する。超音波パラメーターの設定値を検討し、超音波診断装置の治療モード設定値の参考とする。
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今後の研究の推進方策 |
医療現場での汎用性を考えて、超音波診断装置に1-6MHzのプローブを用いて、発癌物質DMBA発癌同所膵臓癌ラットモデルについて、BUS-DDSによるGem+nabPTXの送達および抗腫瘍効果について検討する。
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