研究課題/領域番号 |
23K11913
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
吉田 英治 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部, 主幹研究員 (50392246)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | PET / Detector / TOF / DOI / 検出器 |
研究開始時の研究の概要 |
神経変性疾患の診断の実現に向けて頭部専用 PET に対する期待が高まっている。上記を実現するために、飛行時間差(TOF)及び検出深さ(DOI)情報を用いることでPETの画質は大幅に改善できるが、TOFと DOI情報を両立した 検出器開発の困難さから、頭部専用TOF-DOI PETはいまだに実現していない。本研究では次世代頭部専用PETにおいて基本技術と なるTOF-DOI PET検出器の開発を行う。具体的には、視野内で一様な1 mm台の空間分解能 (3 mmのDOI分解能)と既存の商用機を超える100 ps台の時間分解能の両立を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では次世代頭部専用 PET において基本技術となる time-of-flight(TOF)-depth-of-interaction(DOI) PET 検出器の開発を行う。1.45x1.45x15mmのFast LGSOシンチレータを14x14のアレイとし受光素子として8x8のMPPCアレイに光学接続した試作検出器を開発した。スリット照射による実験から 3.1mmのDOI分解能を達成した。時間分解能に関してはタイムスタンプを算出する際の校正手法の開発、MPPCの集光率の改良よって198.9 psを達成した。3.1mmのDOI分解能は時間分解能の改善にも寄与している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
いくつかの予備実験から、本検出器の性能目標を達成するために、シンチレータとしてFast LGSOを、受光素子としてMPPCアレイを採用した。1.45x1.45x15mmのFast LGSOシンチレータを14x14のアレイとし、受光素子として8x8のMPPCアレイを光学接続した試作検出器を開発した。また、光学反射剤としてルミラーとESRを比較した結果、より良い時間分解能とDOI分解能が得られたルミラーを採用した。また時間分解能を改善するためにタイムスタンプの算出方法を見直し、最適なサンプル数によるエネルギーによる重み付け平均によるタイムスタンプ算出方法を開発し、時間分解能が改善できた。また、MPPCアレイの受光面の保護材が光の集光を妨げていることを見出し、保護材内にそれぞれのMPPCを区切る形で光学的反射材の格子を作成し、集光率を高めることで時間分解能の改善を達成した。一対の試作検出器を用いた実験から、DOI分解能と時間分解能は、それぞれ 3.1mmと 198.9psを達成した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、時間分解能のさらなる向上、検出器の作成方法の改良等を実施する予定である。また、試作検出器を量産し、イメージングテストを実施する。
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