研究課題/領域番号 |
23K11926
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 広島工業大学 |
研究代表者 |
十川 千春 広島工業大学, 生命学部, 教授 (10253022)
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研究分担者 |
十川 紀夫 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (30236153)
宮崎 育子 岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (40335633)
中野 敬介 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (10325095)
塚本 壮輔 広島工業大学, 生命学部, 准教授 (90366386)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ストレスマーカー / バイオマテリアル / 三次元培養 / オルガノイド / 遺伝子発現 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,ナノバイオマテリアルを見据えたバイオマテリアルに対する適正なin vitro安全性評価法の確立を最終目標とし,生体内環境を再現する臓器オルガノイドを用いたバイオマテリアル安全性評価法の構築を目的とする。そのために,細胞応答性を反映する独自のバイオマーカー評価系を構築し,バイオマテリアルに対する生体応答性の定量評価を可能とする。さらにヒト由来臓器オルガノイドモデルの導入と臓器チップ(Organ-on-a-chip)への応用を検討する。
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研究実績の概要 |
医療技術の発展に伴い、様々なバイオマテリアルが開発されており、その中でもナノバイオマテリアルは今後ますます開発が盛んになると考えられる。その開発には機能性評価のみならず、生物学的安全性評価が必須であるが、近年、動物実験代替の必要性から、in vitroでの安全性評価技術の開発が急務となっている。本研究では、ナノバイオマテリアルへの応用を見据えたバイオマテリアルに対する適正なin vitro安全性評価法の確立を最終目標とし、生体内環境を再現する臓器オルガノイドを用いたバイオマテリアル安全性評価法の構築を目的とする。 令和5年度は、バイオマテリアルに対する細胞応答性を反映するバイオマーカー遺伝子発現評価系の構築を行った。バイオマーカーとして、細胞の酸化ストレスマーカーの一つであるメタロチオネイン(MT)に着目し、ヒトMT-Iプロモーター領域を蛍光タンパク質(ZsGreen)レポーター遺伝子上流に組み込んだレポーターベクターをイヌ遠位尿細管由来細胞株(MDCK)に遺伝子導入し、MT-1遺伝子プロモーターの転写活性に伴い蛍光タンパク質を発現するMT-Gene Promoter Activity Detection (MTgPAD)システムを構築した。また、MDCK細胞は従来の培養皿を用いた二次元培養条件下では極性を示さないため、本来の細胞機能を発揮することが出来ない。そこで、MDCK細胞の培養法について、より迅速で且つ簡便に立体構築(極性形成)が可能で、後の毒性評価試験に用いやすい三次元培養条件を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MDCK三次元培養条件系へのMT-gPADシステムの導入と定量化を完了することが出来なかった。また臓器オルガノイド開発の準備として、ヒトiPS細胞由来オルガノイドモデルの作製に着手できなかった。以上の理由より、研究の進捗は当初の計画からやや遅れている。R6年度引き続き検討を行う。
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今後の研究の推進方策 |
腎尿細管細胞の三次元培養系へのMT-gPADシステムの導入により、三次元培養系での細胞応答性の定量化を完了する。次に,ヒト由来細胞を用いたオルガノイドモデルの作製と評価系導入を行う。ヒト体内動態と相関のあるin vitro評価法を確立するために、ヒトiPS細胞由来オルガノイドの作製を行う。本研究では、まず腎オルガノイドの作製を目指す。さらに,先に構築したgPADシステムの導入を検討する。最後に、バイオマテリアル評価用臓器チップ(Organ-on-a-chip)の開発に向けた条件検討を行う。ナノ粒子の長期暴露による腎細胞内への蓄積を想定し、長期培養時の細胞応答性評価に対応可能なOrgan-on-a-chipの条件検討を計画している。
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