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アンチセンス医薬による自然免疫活性化の新規機序の解明と評価・低減手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K11928
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分90140:医療技術評価学関連
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

吉田 徳幸  国立医薬品食品衛生研究所, 遺伝子医薬部, 室長 (00649387)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードアンチセンス / 自然免疫活性化 / 修飾型核酸 / TLR9非依存的経路 / 毒性低減
研究開始時の研究の概要

近年開発が進むアンチセンス医薬に特有の有害事象の1つである自然免疫活性化は、これまでToll様受容体9(TLR9)を介すると考えられてきたが、先行研究において代表者は、アンチセンスによる自然免疫活性化にはTLR9非依存的な経路が寄与していることを実験的に示した。本研究では、アンチセンスがTLR9非依存的経路を介して自然免疫を活性化させる機序を解明し、アンチセンスによる自然免疫活性化の評価、および低減手法を開発する。

研究実績の概要

近年開発が進むアンチセンス医薬品に特有の有害事象の1つである自然免疫活性化は、一般的に、Toll様受容体9(TLR9)を介すると考えられてきた。しかし、既存のTLR9活性化を指標とした試験をクリアしているにも関わらず、複数の開発品が臨床試験で自然免疫活性化が認められ開発中止となっている。本事実を受け、先行研究において「アンチセンスを認識するTLR9非依存的な経路が存在し、自然免疫系の活性化に寄与している」ことを実験的に立証し、TLR9依存的経路のみならず、TLR9非依存的経路を対象とした評価法を構築する必要性を明らかにした。本研究では、アンチセンスによるTLR9非依存的経路を介した自然免疫活性化の機序を解明することで、アンチセンスによる自然免疫活性化を包括的に予測・評価可能な手法を構築し、さらに、自然免疫活性化の低減手法を構築する。
本年度は、アンチセンスによる自然免疫活性化の評価で使用する細胞について検討した。具体的には、先行研究で特定したアンチセンス医薬の自然免疫活性化の評価に適したヒト培養細胞株に対して転写因子応答性レポーター遺伝子を導入し、自然免疫活性化をレポーター活性で評価可能な細胞株の作製を進め、レポーター遺伝子が安定的に発現した候補クローンを複数得た。また、自然免疫活性化の低減手法に関する検討として、本検討で用いる修飾型核酸として糖部修飾型核酸を複数種類選定し、アンチセンスへの導入様式を決定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上述したとおり、先行研究で特定したアンチセンス医薬の自然免疫活性化の評価に適したヒト培養細胞株に対して転写因子応答性レポーター遺伝子を導入し、自然免疫活性化をレポーター活性で評価可能な細胞株の作製を進めた。自然免疫活性化の低減手法に関する検討として、本検討で用いる修飾型核酸、およびアンチセンスへの導入様式を決定した。ここまで問題なく、順調に研究が推進できていると考えている。

今後の研究の推進方策

当初の計画通り、自然免疫活性化評価用細胞の作製、自然免疫活性化を低減する修飾型核酸の検討を進める。評価用細胞株の候補となるクローンについて、今後、自然免疫活性化能を有するアンチセンスを用いて作用条件等の基盤データを取得する。低減手法の検討として、当該アンチセンスに修飾型核酸を導入し、自然免疫活性化に及ぼす影響を評価する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Drug Metabolism and Pharmacokinetics of Antisense Oligonucleotide Therapeutics: Typical Profiles, Evaluation Approaches, and Points to Consider Compared with Small Molecule Drugs2023

    • 著者名/発表者名
      Takakusa Hideo、Iwazaki Norihiko、Nishikawa Makiya、Yoshida Tokuyuki、Obika Satoshi、Inoue Takao
    • 雑誌名

      Nucleic Acid Therapeutics

      巻: 33 号: 2 ページ: 83-94

    • DOI

      10.1089/nat.2022.0054

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 核酸医薬のオフターゲット効果に起因する毒性の予測・評価法2023

    • 著者名/発表者名
      吉田徳幸, 井上貴雄
    • 雑誌名

      Clinical Neuroscience

      巻: 41 ページ: 652-657

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] mRNA医薬の評価の考え方 -パネルディスカッションの論点-2023

    • 著者名/発表者名
      吉田徳幸, 山下拓真, 山本武範, 大岡伸通, 位髙啓史, 秋田英万, 武下文彦, 峰野純一, 辻畑茂朝, 山口照英, 内田恵理子, 井上貴雄
    • 雑誌名

      医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス

      巻: 54 ページ: 322-329

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 核酸医薬の規制整備に向けた取り組み2023

    • 著者名/発表者名
      井上貴雄, 吉田徳幸
    • 雑誌名

      Medical Science Digest

      巻: 49 ページ: 648-652

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] アンチセンス医薬のオフターゲット効果に対する塩基長の影響2024

    • 著者名/発表者名
      吉田徳幸, 安原秀典, 佐々木澄美, 小比賀聡, 井上貴雄
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ヒト肝キメラマウスを用いたアンチセンスによる肝毒性の予測・評価法2023

    • 著者名/発表者名
      吉田徳幸, 佐々木澄美, 田中浩揮, 大竹誠司, 加國雅和, 笠原勇矢, 齋藤嘉朗, 秋田英万, 小比賀聡, 井上貴雄
    • 学会等名
      日本核酸医薬学会第8回年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 核酸医薬品の安全性確保に向けた取り組み2023

    • 著者名/発表者名
      吉田徳幸
    • 学会等名
      東京大学大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 Monthly Guest Talk
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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