研究課題/領域番号 |
23K11931
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
砂田 寛司 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (20588884)
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研究分担者 |
野間 久史 統計数理研究所, データ科学研究系, 教授 (70633486)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 統計モデリング / 統計的推測 / 大規模データベース / データサイエンス / リアルワールドデータ / 臨床試験共有データベース |
研究開始時の研究の概要 |
臨床試験データシェアリングの普及により、個人レベルのデータが研究目的で利用できるようになっている。特に、先端的なデータサイエンス・機械学習の技術を用いることで、これまで一般的な臨床研究者には困難であった重要なResearch Questionについての分析が可能となり、多くの革新的エビデンスが得られる可能性がある。本研究では、これらの大規模データベースにおいて、高度なデータ分析手法に基づく系統的エビデンスの創出を行うための体系的な研究方法を開発し、さまざまな研究課題において、系統的な先進的エビデンスを確立し、発信することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、臨床試験データ共有システムの進展に伴い、歴史的な臨床試験から最新の臨床試験に至るまでの個人レベルデータが研究目的で広く利用できるようになったことを背景として、臨床疫学・医薬品開発における重要な研究課題に対して、新たなデータサイエンスの技術を開発し、また先進的な応用研究を行うことが目的である。本年度は、データサイエンスと機械学習技術を用いて、これらの研究で広く用いることができる、修正ポアソン回帰や最小二乗回帰を使用する際の有効な統計的推測の方法を開発した。Wedderburnの擬似尤度に基づく理論を用いて、特に、小規模サンプル下で過小評価されがちな統計的誤差を正確に評価するための擬似尤度比検定・擬似スコア検定に基づく信頼区間の構成方法を新たに開発した。併せて、Bootstrap法に基づく高精度な分析手法とBartlett型補正法を開発した。また、経時的なフォローアップデータの解析において、時間依存性交絡を調整するための因果推論の方法として知られる周辺構造モデルの分析において、因果リスク比・因果リスク差を推定するための推定方程式理論に基づく方法を新たに開発した。加えて、多変量解析における分離問題を解決するための代表的な方法であるFirth補正の方法を、修正ポアソン回帰・最小二乗回帰に対して開発した。また、治療・曝露などの要因の非線形な効果を柔軟に推定するための一般化加法モデルにおいて、非線形なリスク比・リスク差の効果のモデリングの方法を開発した。過去に行われた臨床研究・疫学研究の事例解析や、リアルワールドのデータを模倣した人工データによるシミュレーション実験を通して、これらの方法の有効性を示すことができた。現在、複数報の研究論文を、国際学術誌に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り順調に進捗している。研究実績の概要で述べた研究成果は国際誌に投稿中である。次年度以降で扱う研究テーマについても研究班内で適宜調整を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、継続して、大規模データベース研究に有用なデータサイエンス・機械学習の新規方法の開発に取り組む。併せて、これまでの研究成果を、確実に国際学術誌に公表することができるように、研究論文の執筆や査読対応など、公表に関するプロセスを進める。また、臨床試験データ共有システムを活用した、大規模臨床試験データによる応用研究も進める。また、新たなクリニカルクエスチョンの探索・設定についても研究者間で議論を進め、対象となるデータセットを精査し、着実な研究成果につなげられるよう、研究を進めていく。
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