研究課題/領域番号 |
23K11934
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
川野 孝文 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (40457651)
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研究分担者 |
家入 里志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00363359)
鳥飼 源史 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (00535635)
大西 峻 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (10614638)
村上 雅一 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (40825361)
植村 宗則 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (50636157)
杉田 光士郎 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (50781514)
杉本 真樹 帝京大学, 付置研究所, 教授 (70398733)
春松 敏夫 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (70614642)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 蛍光ガイド下手術 / MR技術 / ナビゲーション手術 / 3Dホログラム / MR / 小児がん / 手術シュミレータ |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでに、手術ナビゲーションや小児外科疾患特異的なモデルも含めて内視鏡外科手術シミュレータを開発してきた。また、外科医の鉗子運動特性の研究も行ってきた。これら研究活動の中で、術前および術中の映像の違いにより、疾患の理解や手術方針に違いが生じている可能性に着目した。現実空間に3D ホログラムとして投影提示するMR 技術と、小児がん(固形腫瘍に対する蛍光ナビゲーションガイド下手術を確立させ、予後を改善させるべく臨床現場における外科医の手術方針を含む包括的治療支援システムを構築する。
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研究実績の概要 |
ナビゲーション手術とMR技術を応用した複合現実の空間に、小児の悪性腫瘍疾患の情報を3D ホログラムで表示して、切除方法・切除範囲の理解を深め、より安全に最大限の切除を可能とする術式の決定ができるか、手術方法と切除範囲の決定の両側面からアプローチするということが本研究の一つ目の課題である。また腫瘍自身を新たな試薬を用いて腫瘍特異性の高い蛍光ガイド下手術の実現性を目指し、実際に執刀する外科医の腫瘍の切除範囲の理解を複合的に行い、より安全に最大限の切除を可能とする術式の決定ができるか、実際の手術方法と切除範囲の決定の両側面からアプローチするということが本研究課題の命題となる。手術が大きく予後に関与すると考えられる代表的な小児悪性固形腫瘍の神経芽細胞腫の細胞株において3D ホログラムと普及型の2D モニター表示を5α-アミノレブリン酸の投与を行い410nm の青色光を用いて発行可能かどうかを検討し実際に臨床応用できるか検討することがまず一つ目の目標となり、同時並行で3D ホログラムと普及型の3D モデルの2つを比較した際に、専門医の疾患の理解度に有意差が生じるかどうかを検討し、3D ホログラムと普及型の2D モニター表示を比較した際に、小児外科執刀医の疾患の理解度に有意差が生じるかといった専門性の違いによる検討も行う。最後に3Dホログラムを利用することにより、より腫瘍の切除率に影響を与えるかどうかの検討を行う。つまり3D ホログラムとナビゲーション手術の技術を用いて、臨床的見地から小児がん(固形腫瘍)の切除率向上という観点での医療技術の検証を行うことを目的とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実際の小児がん患者の造影CT検査より作成した3D ホログラムと2D画面上での普及型3D モデルの2つを作成した。実際の臨床にまだ接したことのない座学のみを行っている医学部学生の理解度に有意差が生じるかどうかを検討した結果、有意差は生じなかったものの腫瘍の局在の正答率に傾向を生じた。大多数の学生が学習面で非常に役に立ったとしており学生における理解度については非常に興味深い結果であった。これを引き続き臨床研修医に行い術前の理解が深まるかどうか、教育に行かせるかと言った3Dホログラムが理解度や意思決定に与える影響ついてことも検証を行っている途中である。引き続き3D ホログラムと普及型の2D モニター表示を比較した際に、外科専攻医や小児外科執刀医の疾患の理解度に有意差が生じるかといった専門性の違いによるMRが与える影響についても検討も行う予定としておりこちらも現時点で進行中である。3Dホログラムを利用することにより、より腫瘍の切除率に影響を与えるかどうかといった問題、つまり3D ホログラムとナビゲーション手術の技術を用いて、臨床的見地から小児がん(固形腫瘍)の切除率向上という観点での医療技術の検証を行っていく。また、細胞に関しては腫瘍の細胞培養を勧めているが、培養自体はうまく行っているが、5α-アミノレブリン酸の投与を行い、腫瘍細胞に取り込むにはもう少し工夫が必要と考える。蛍光自体はしていると思われるが、腫瘍特異性に発光しているかの検証が必要であり、その方法について検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
現在臨床研修医に行い術前の理解が深まるかどうか、教育に行かせるかと言った3Dホログラムが理解度や意思決定に与える影響ついてことも検証を行っており、継続する予定である。引き続き3D ホログラムと普及型の2D モニター表示を比較した際に、外科専攻医や小児外科執刀医の疾患の理解度に有意差が生じるかといった専門性の違いによるMRが与える影響についても検討を行う予定としている。つまり3D ホログラムとナビゲーション手術の技術を用いて、臨床的見地から小児がん(固形腫瘍)の切除率向上という観点での医療技術の検証を行っていくとともに、3Dホログラムの検証については順調に進んでいるが、基礎的実験である細胞を利用した実験については、進捗が遅く腫瘍細胞の培養をさらに進めて、効率よく腫瘍細胞に5α-アミノレブリン酸を取り込むための情報収集を学会等に参加して行っていく予定である。 腫瘍瘍特異性に発光することができれば、3Dホログラムとの併用により更なる腫瘍切除の効率化や最大限かつ最小限の切除範囲を実行できるかと言った懸賞も行っていく予定であり、実際の術中に3D ホログラム、5-ALA を用いたナビゲーション手術を行なった症例の切除率の評価に関して術後に撮影するCT 画像を用いて評価する予定としている。
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