研究課題/領域番号 |
23K11938
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
川村 愼二 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10543291)
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研究分担者 |
小澤 修一 広島大学, 医系科学研究科(医), 特任准教授 (20360521)
田辺 悦章 岡山大学, 保健学域, 准教授 (20716237)
峯村 俊行 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 特任研究員 (80523464)
新保 宗史 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (90406512)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | FFFビーム / 電子線 / 線量計測 / 出力線量相違 / 相互校正 / リニアック / FFF / 小照射野 / 出力線量 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、医療用リニアック装置の出力線量相違施設への支援に関する研究を実施する。放射線治療品質管理機構において地域連携支援ネットワークが構築された。基盤研究(C) (18K12135)において、遠隔支援データサーバ(STD-audit)を開発した。今回、地域連携支援ネットワークとSTD-auditを基盤として、これまでのX線の標準ビームに加えて、近年、高精度放射線治療の普及により導入施設が増えた高線量率FFFビームや定位放射線治療で利用される小照射野ビーム、および皮膚表層治療に利用される電子線の出力線量相違施設に対するデータ分析、測定支援に関する研究を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、高精度放射線治療の普及により導入施設が増えた高線量率FFFビームと皮膚表層治療に利用される電子線の出力線量相違施設に対するデータ分析、測定支援について、地域連携支援ネットワークによる支援を実現する目的で実施している。2023年度は、次の2つの研究を実施した。 1つ目は、STD-AuditのFFFビーム、電子線への機能拡張である。このSTD-Auditのビームデータ登録機能を放射線治療品質管理機構のホームページから登録できるようにした。また、FFFビームについては、登録項目の機能拡張を実施した。電子線については、2023年度の対応ができなかった。したがって、2024年度の研究課題として実現する予定である。STD-Auditのビーム登録機能については、全国の放射線治療品質管理士の認定更新・新規認定者を対象にした第33回放射線治療品質管理士講習会(2024年1月~2月)で運用開始説明を実施した。2024年度に「出力線量確認システム」として、登録データを収集し、パイロットスタディとして状況分析を実施する。 2つ目は、FFFビーム、電子線の測定支援の整備についてである。FFFビーム測定用の小容積線量計(A1SL:Exradin)と電子線用の平行平板形線量計(A11:Exradin)について、モンテカルロシミュレーション計算コードを作成して、両線量計の計測における特性解析を行う準備を整えた。また、2023年9月16日(土)に第126回日本医学物理学術大会において、FFFビームと電子線を用いた相互校正に関するハンズオンセミナーを実施した。地域連携支援都道府県相談者や学会参加の医学物理士など34名が参加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的に沿って、申請時の研究計画に記載した項目について概ね順調に研究が進んでいる。その理由として、①STD-Auditの機能拡張を実施して、テーマの一つであるFFFビームを登録できるように改良した。また、②放射線治療品質管理機構のホームページから放射線治療施設の品質管理担当者が自施設の出力線量管理に関するビームデータを登録できるようにした。次に、③FFビーム測定用の小容積線量計(A1SL:Exradin)と電子線用の平行平板形線量計(A11:Exradin)を購入し、両線量計を用いた相互校正に関するハンズオンセミナーを実施した。また、全国の都道府県の放射線治療品質管理相談者を対象とした都道府県・地区相談者連絡講習会において、STD-Auditの機能拡張や、2022年度から開始した施設支援相談の進捗状況を説明し、施設支援に関する情報共有を行った。④両線量計のモンテカルロシミュレーション計算可能なモデリングを実施し計算準備を整えた。 研究計画から遅れている項目として、STD-Auditの電子線機能拡張や全国の施設からのビーム登録実施がある。これらについては、2024年度に実施する予定で、すでに準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、高精度放射線治療の普及により導入施設が増えた高線量率FFFビームと皮膚表層治療に利用される電子線の出力線量相違施設に対するデータ分析、測定支援について、地域連携支援ネットワークによる支援を実現する目的で実施している。 1年目の2023年度は、STD-Auditの機能拡張や放射線治療品質管理機構のホームページからのビーム登録システムの構築などを行った。都道府県・地区の支援を担当する方々を対象にハンズオンセミナーを実施した。 2年目の2024年度は、STD-Auditのビーム登録の運用を開始し、全国の放射線治療施設からのビームデータ登録を推進する。登録した放射線治療施設の担当者が全国統計に対する自施設のデータの位置づけの自動解析結果を閲覧できるシステムの機能拡張を目指す。また、登録されたデータは、他者からは閲覧できないようにセキュリティを確保するようにする。また、収集されたデータは、パイロットスタディとして、出力線量相違や施設支援用に分析を実施する。また、FFFビームと電子線の相互校正に関するセミナーや講習会などを継続的に実施し、正しい線量計測方法の普及と線量相違施設への支援体制を構築する。
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