研究課題/領域番号 |
23K11943
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90140:医療技術評価学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人佐賀県医療センター好生館(総合臨床研究所) |
研究代表者 |
安波 道郎 地方独立行政法人佐賀県医療センター好生館(総合臨床研究所), 総合臨床研究所, 部長 (80244127)
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研究分担者 |
柏田 知美 地方独立行政法人佐賀県医療センター好生館(総合臨床研究所), 総合臨床研究所, 医師・医療系職員 (40404199)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 抗腫瘍薬有害事象 / 腸管有害事象 / ヒトゲノム多型 / 臓器特異的エピゲノム修飾 / 腸内細菌叢 / 便中バイオマーカー / バイオマーカー探索 / 薬剤性下痢 / がん薬物療法 |
研究開始時の研究の概要 |
フッ化ピリミジン系抗腫瘍薬は副作用として日本人患者の2-3割に薬剤性下痢・出血性腸炎を起こし、それが薬剤忍容性低下につながっている。DPYD遺伝子にコードされるジヒドロピリミジン脱水素酵素はその主な解毒酵素であり、活性低下バリアントの頻度が比較的高い欧米では、投与前スクリーニング検査が行われているが、日本人では有効ではない。本研究では、候補遺伝子発現調節機構や腸粘膜上皮でのエピゲノム変化、腸内細菌叢の構成などが薬剤性下痢の発症に影響する可能性を考え、これらの要因から有害事象の事前予測が可能であるかを探る。本研究の成果は有害事象の予防を通じて、治療薬の忍容性を拡げ、がん治療の質向上に貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、日本人患者の2-3割に薬剤性下痢・出血性腸炎を起こすことが薬剤忍容性低下につながっているフッ化ピリミジン系抗腫瘍薬について、当該薬剤の代謝酵素遺伝子の多型や腸粘膜上皮でのエピゲノム変化、腸内細菌叢の構成などがその要因になると考えられることから、個々の患者においてこれらの項目から有害事象発症の予測が可能であるかを探索することを目的として掲げた。そのために課題全体を①フッ化ピリミジン系薬を投与するがん患者の臨床データ抽出と検体採取、②候補遺伝子多型の型決定と発現定量、③腸粘膜由来便中DNAのエピゲノム修飾分析、④便中miRNAプロファイリング、⑤腸内細菌叢の分析の5項目に細分して計画を遂行している。本年度は、対象者の選抜を開始し、各検出系の条件検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①フッ化ピリミジン系薬を投与するがん患者の臨床データ抽出と検体採取:フッ化ピリミジン系の経口薬・注射薬を使用予定の患者10名から研究参加への同意を取得し、検体を収集した。②候補遺伝子多型の型決定と発現定量:DPYD遺伝子の多型解析・発現定量の実験系を決定した。③腸粘膜由来便中DNAのエピゲノム修飾分析:便検体からのDNA抽出法を確定した。④便中miRNAプロファイリング:便検体からのRNA抽出法を確定した。⑤腸内細菌叢の分析:便検体からのDNA抽出法を確定した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通りに進めるとともに、便検体から腸管上皮の性状をとらえることが困難である場合に備えて、患者の末梢血細胞から多能性前駆細胞株を樹立し、それを用いて腸管オルガノイドを作製して表現型を解析することを試みる。
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