研究課題/領域番号 |
23K11956
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
阿部 薫 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (20445901)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 足 / ハイヒール靴 / ねじれ変形 / 靴型 / ハイヒール |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの足は踵を上げた「ハイヒールポジション」になると中・後足部は捻じれながら外側に偏位していくが、靴の形状は捻じれ変形を考慮することなくヒール高を上げるのみのため、①ヒール高が上がるほど足と靴が合わない。このため足に痛みや疲れを生じながら使用されている。これは②捻じれ変形の法則性が不明のため、現在のハイヒール靴の設計に反映されていないことに問題がある。このため本研究ではハイヒールポジションを3次元計測し③足の捻じれ変形の法則性を明らかにする。さらに捻じれ変形を反映させたハイヒール靴を設計・作製して実験により痛みや疲れがない④良好な適合性を確認し新しい基本設計の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
ハイヒール靴はデザイン性が優先され、足に適合し快適に履くことが犠牲にされており、根本的な問題が解決されないまま今日の使用状態となっている。踵を上げたハイヒールポジションになると中・後足部は捻じれながら外側に偏位(回外・外転)するが、現在の3次元計測研究は、靴使用を再現した荷重位での計測ではないため3次元的変化の法則性が未解明である。このため足の捻じれ変形の情報はハイヒール靴の設計に反映されず足に合わないため、痛みや疲れを生じながら使用されていることが問題であると考えた。 したがって本研究の目的は、ハイヒール靴の適合性を高め、痛くなく快適に履ける新しい靴の基本設計を確立することとし、踵を上げたハイヒールポジションで生じる足の捻じれ変形を3次元計測し、明確化した足の捻じれ変形の法則性を反映した靴の適合性と歩行の解析・評価を行うことである。 このため、痛くなく快適に履けるハイヒール靴を設計することが重要である。踵を上げたハイヒールポジションによる中・後足部は捻じれながら外側に偏位(回外・外転)していくが、靴の形状は捻じれ変形を考慮することなくヒール高を上げるのみのため、ヒール高が上がるほど足と靴が合わない。したがって本研究ではヒール高変化による足の捻じれ変形を明らかにするため、ハイヒール靴使用を想定した荷重位による3次元足型計測を行い、その法則性を反映させたハイヒール靴を作製し、足と靴の適合性と歩行解析について、今回初めて追及することが学術的な独自性である。 本研究の成果がハイヒール靴の設計に応用展開されれば、新しい設計基準が確立され、機能性とデザイン性が調和した靴の提案が可能となることが創造性として主張できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は次の4点について4か年にわたり実験を実施する計画とした。1) ハイヒールポジションによる足の捻じれ変形の法則性を3次元計測で明らかにする。2) 1)の3Dデータに基づいて靴型(靴製作の元型)を造形し新設計のハイヒール靴を作製する。3) 従来型と新設計のハイヒール靴の足と靴の形状適合性について静止立位で比較する。4) 従来型と新設計のハイヒール靴の快適性の検証として歩行使用時の疲れを比較する。 初年度である令和5(2023)年では、ハイヒールポジションによる足の捻じれ変形の法則性を3次元計測で明らかにするため、次の方法により実験を行うこととした。方法1:被験者は健常女性20名(各年度同一人物)とし、3次元足型計測器(JMS-2100CU、ドリームGP社)を用い、足をハイヒールポジションにしてヒール高を変化させて計測し、統計分析により法則性を解明する。次案1:ヒール高を上げると被験者によっては計測範囲を逸脱して3Dデータが採取できない可能性がある。この場合、ハンディタイプの3Dスキャナ(EinScan-Pro2X、SHINING3D社)で再計測する。 結果として、方法1では被験者により足アーチの挙上反応性が異なるため、踵後部の上端のデータが欠けてしまうことがあり、次案1で再計測したが足底部のスキャンデータが安定せず、データの統一性に問題を生じた。このため、各ガース(周径)の計測とフットプリントによる徒手計測に切り替え、データ採取の方法として荷重位、半荷重位、非荷重位を比較検討した。
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今後の研究の推進方策 |
足をハイヒールポジションにしてヒール高を変化させて足部の変形動態を計測するが、被験者により足アーチの挙上反応性が異なるため、踵後部の上端のデータが欠けてしまうことがあったので、①現用の3次元足型計測器(JMS-2100CU、ドリームGP社)よりも、さらに計測範囲が高い計測器(INFOOT2、アイウェアラボラトリー社)をレンタルして試用してみる。②それでもデータのバラツキや、デジタル計測の限界が認められる場合は、従来の方法により徒手計測で靴型を作製する。③この場合、手作業になるため相当の時間がかかることが予想されるため、靴の製作については専門業者に依頼することも考慮する。
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