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視覚障がい者の支援者を支援する監視カメラシステムの開発と共助型支援体制の構築

研究課題

研究課題/領域番号 23K11960
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分90150:医療福祉工学関連
研究機関筑波大学

研究代表者

滝沢 穂高  筑波大学, システム情報系, 教授 (40303705)

研究分担者 大矢 晃久  筑波大学, システム情報系, 教授 (30241798)
青柳 まゆみ  愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (40550562)
小林 真  筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (60291853)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード支援者支援システム / 視覚障がい者 / 監視カメラ / 白杖 / 深層学習 / 支援者支援 / システム
研究開始時の研究の概要

研究の進め方として,1年目に研究項目(ア)のプロトタイプシステムを開発し,(イ)に関しては視覚障がい者および支援者と議論し,モデルケースの設計を行う.(ウ)に関しては主に視覚障がい者と議論を進め,実験方法に関して議論する.2年目にはプロトタイプによる予備実験を行い,その結果に基づいてシステムの改良とモデルケースの再検討を行う.3年目にはシステムおよびモデルケースを完成させ,それに基づいた最終実験を行う.本提案手法の評価を行い,研究を取りまめる.なお学会発表などは適宜行う.

研究実績の概要

日本において視覚障がい者の約7割は高齢者(総務省)である.彼らにとって小さな支援機器を使いこなすことは難しく,できれば人による対応や支援を望む方が多い.従来の視覚障がい者支援システムの研究開発分野では,センサーを装備した白杖などを使って自分で行動することを支援する自助型の支援システムの開発が主であったが,そのような研究開発方針だけでは不十分で,周辺の人による支援も含めた多方向・多重的な研究姿勢が重要であると考えられる.ただし,周囲の人による支援は,個人的な努力やボランティア精神に支えられているところが多く,彼らの大きな負担となっているという問題があった.
本研究では,視覚障がい者の生活活動を支援する人を支援する支援者支援システムを開発することを目的とする.その一例として,駅などの公共施設を移動する視覚障がい者を既存の監視カメラで検出し,駅員に通知し,駅員は必要な誘導や手助けをすることによって視覚障がい者の利便性を向上させるシステムの開発を行っている.
本年度は,カメラで撮影した動画像に深層学習の一つであるYOLOv5を適用し,白杖を検出するアルゴリズムの開発を行った.YOLOv5は画像中から特定の物体を検出することができるニューラルネットワークモデルで,高速で検出精度が高いことで知られているが,白杖のような小さく,細い物体を検出対象とした場合は精度が下がることが分かった.そこで,YOLOv5を動画フレームに連続的に適用し,検出結果をトレースすることによって精度向上を図った.本提案手法を実装し,数千枚の白杖画像を学習させ,昼と夜のカメラ映像を対象に実験し,より高い精度で白杖を検出できることが分かった.なお,本研究を国際会議などで発表し,Best Presentation Award を受賞した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

カメラで撮影した動画フレームに深層学習の一つであるYOLOv5を適用し,視覚障がい者が使用している白杖を検出する手法を開発した.これまでは線分検出や差分処理などの従来型の画像処理手法を使って白杖を検出する手法を提案していたが,本研究でYOLOv5を導入することによって検出精度が向上し,限定的な実験条件ではあるが実環境での有効性も確認できている.また,国際会議等で学会発表し,前述の賞を受賞するなど一定の評価も受けている.

今後の研究の推進方策

今年度はビデオ映像に深層学習を適用することによって白杖を検出する手法を開発し,実環境での実験によってその有効性を確認した.ただし,この実験は大学構内という限定的な実験環境で行っており,またカメラのアングルや実験参加者との距離などの撮影条件も限定的であった.また,晴眼者を実験参加者として実験していた.今後は,より実際的な条件の下で実験を行い,有効性を確認していくことが課題である.
さらに,現在の検出手法では白杖(画面上では白い線状物体)のみを検出対象としているが,今後は視覚障がい者自身も検出の対象とし,白杖とともにその歩容なども認識対象とすることで,(白杖以外の)白い線状物体との判別精度を向上させていくことにも取り組んでいく.
なお,学会発表などは順次行い,研究成果を発信していく.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Preliminary study on detection of white cane users by use of YOLOv5 and false positive reduction2023

    • 著者名/発表者名
      Li Zhiqing, Hotaka Takizawa, Akihisa Ohya, Makoto Kobayashi, Mayumi Aoyagi
    • 雑誌名

      Proceedings of the 10th IIAE International Conference on Intelligent Systems and Image Processing 2023

      巻: 1 ページ: 225-229

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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