研究課題/領域番号 |
23K11969
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
松友 紀和 杏林大学, 保健学部, 准教授 (90781237)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 水晶体被ばく / X線防護メガネ / 核医学検査 / 被ばく低減 / 核医学 |
研究開始時の研究の概要 |
核医学で使用される放射性核種のエネルギーはX線検査よりはるかに高いにもかかわらず、核医学検査・治療に携わるスタッフ(看護師・診療放射線技師)の水晶体被ばく防護についてこれまでほとんど議論されていない。また、一般に入手できるX線防護メガネは核医学を対象としておらず、PET核種や治療用核種に対する遮蔽効果も20%以下である。 本研究では、臨床で多く使用されているSPECT核種、PET核種、治療用核種から受ける水晶体線量を推定すると同時に、核医学専用の水晶体被ばく防護メガネの設計・作成を行い、その被ばく低減効果を検証する。
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研究実績の概要 |
核医学で使用される放射性核種のエネルギーはX線検査よりはるかに高いにもかかわらず、一般に入手できるX線防護メガネは核医学を対象としておらず、PET核種や治療用核種に対する遮蔽効果も20%以下である。本研究では、核医学専用の水晶体被ばく防護メガネの開発を目的とした。 ①コンピュータシミュレーションを用いて、核医学治療用核種であるI-131の遮蔽に必要な鉛ガラスの厚み(鉛当量)を検証した。一般に入手可能なX線防護メガネの最大鉛当量は、0.75 mmPbであるが、シミュレーションの結果、50%以上の線量低減率を得るためには、従来の3倍以上の鉛当量が必要であることが示された。 ②シミュレーションの結果から、鉛ガラスの厚み(鉛当量)を1~3倍に変えたX線防護メガネを試作し、I-131に対する3mm線量当量率を測定し、遮蔽効果を検証した。3mm線量当量率は、X線防護メガネなしで、15.48±0.59μSv/min/GBqとなり、従来のX線防護メガネ(0.75 mmPb)では12.41±0.52μSv/min/GBq、試作X線防護メガネ(厚み2倍)で10.32±0.20μSv/min/GBq、厚み3倍で8.51±0.20μSv/min/GBqとなった。また、線量低減率は、従来のX線防護メガネの19.8%に対して、試作X線防護メガネ(厚み3倍)で45.0%となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、コンピュータシミュレーションを用いて鉛ガラスの厚み(鉛当量)について検証を行い、試作試作X線防護メガネの作成と核医学治療用核種であるI-131に対する効果を検証した。現在は、PET用核種であるF-18に対する鉛ガラスの厚み(鉛当量)と効果について検証を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
PET用核種であるF-18に対する評価を進めると同時に、鉛ガラスの組成について新たにコンピュータシミュレーションで検証を進める予定である。また、次年度は2024年11月に予定している第44回日本核医学技術学会総会で発表する予定である。
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