研究課題/領域番号 |
23K11978
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
益子 岳史 静岡大学, 工学部, 准教授 (70415917)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 体圧分布 / クッション / エアセル / 測定 / 数値計算 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,クッションに求められる機能の多くが体圧制御により実現されることから,体圧分散性や体圧可変性に優れたエアセルを用いて,所望の体圧分布を実現するクッションの設計指針を確立しようとするものである. 従来のエアセルクッション研究が市販品の「使用」条件を探るものが多かったのに対し,本研究ではエアセルクッションそのものの「仕様」に着目し,ボディ条件を踏まえた上で所望の体圧分布を実現するためのクッションの仕様を短時間かつ低コストで設計できることを目指す.
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研究実績の概要 |
単純な仕様のボディおよびクッションについて,体圧分布の測定と数値計算を実施し,ボディやクッションの基本仕様が体圧分布に及ぼす影響を調査するとともに,今後クッションの設計の際に数値計算により体圧分布を評価できるようにするため計算精度の向上を試みた. まず,エアセル製あるいはウレタン製のクッションに円筒面ボディを載せた場合など,単純なボディ・クッションの組合せに対する体圧分布の測定を行った.その結果,空間平均体圧はボディ質量に比例し,ボディ・クッションの接触面積に反比例すること,ボディ凸部で観測される最大体圧はボディ曲率とともに増加することなどを確認した.さらに,エアセルの内部空気圧が体圧分布に大きな影響を与えること,空気圧を適切に調整することによりエアセルは体圧分散効果を発揮し,ボディ凸部の局所体圧が常に高くなるウレタンの場合と異なり,平坦な体圧分布を示し得ることなども確認した. 一方,数値計算においては,測定データと定性的に一致する体圧分布を再現し、上述の結果を数値的にも確認することができた.ただし,測定と数値計算の体圧分布にはまだ差異も見られており、定量的な一致に向けて計算コードを改良していく必要があることなど,今後の課題も判明した. なお,これまでの結果は,The 20th International Conference on Global Research and Educationにて発表するとともに,査読付きのProceedingとして出版した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では,4年間の研究期間の前半2年間に,単純な仕様のボディおよびクッションに対して体圧分布の測定と計算を行い,ボディやクッションの仕様が体圧分布に及ぼす影響を確認しつつ計算精度の向上を図ることになっていた. 実際,1年目においては,複数の体圧分布測定装置のデモ機を借りて測定精度等の比較を行い,購入装置の再検討をしたこともあってやや出遅れたものの,円筒面ボディとエアセル単体あるいはウレタン単体についての体圧分布の測定および計算を実行した.その結果,測定においてこれらのボディやクッションの仕様の影響を確認するとともに,計算においても測定と定性的に一致する体圧分布を再現することができた. 以上のように、前半2年間の計画のうち半分程度の内容を実施できたため,1年目についてはおおむね計画通りの進捗と言える.
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今後の研究の推進方策 |
研究期間2年目に当たる本年度は,球面ボディやエアセル・ウレタン複合クッションなど、新たなボディ・クッションに対する体圧分布の測定および計算を実施する.これにより,測定をベースにボディやクッションの基本仕様が体圧分布に及ぼす影響をさらに詳しく調査するとともに,計算においても測定と定量的に一致する体圧分布を再現できるように計算コードの改良を進めていく. 来年度以降の後半2年間では,より複雑なボディ・クッションに対する体圧分布の制御に取り組む.具体的には、人体モデルなどのボディに対し,所望の体圧分布(例えば極力一様なもの)を実現するようなクッションを,数値計算をべ―スに設計し,その妥当性を測定により検証していく.本年度は、こうした後半の研究にスムーズに移行できることを意識して測定および計算を実施する.
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