| 研究課題/領域番号 |
23K11979
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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| 研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
宮崎 英一 香川大学, 教育学部, 教授 (30253248)
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| 研究分担者 |
坂井 聡 香川大学, 教育学部, 教授 (90403766)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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| キーワード | 障害者支支援 / 重度重複障害 / ユーザインタフェース / 機械学習 / ディープラーニング / 音声認識 / 筋電図 / 重度重複 / インタフェース / 障害者支援 / 重度重複障害児 / モーションパターン / ICT |
| 研究開始時の研究の概要 |
重度重複障害児は,発声や発音に重い障害があり,筆記などの表現手段も利用できないことが多く,周囲に自分の意志や要求の伝達が困難であった。その結果,受動的なコミュニケーションが主となり,根本的なコミュニケショーション能力不足を招いていた。これが重度重複障害児の学習や精神的な発達を妨げており,意思を表出できるコミュニケーション方法の開発が教育現場だけに止まらず,多くの生活の場面において望まれていた。 本研究では意図性判別の支援可能な入力インタフェースを開発し,重度重複障害児に自身が潜在的に持っているコミュニケーション能力に気づきを与え,日常生活において受動的態度から能動的態度を涵養する事が期待出来る。
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| 研究実績の概要 |
本研究では、重度重複障害を持つ人が自身の意思を他者に伝える手段を獲得し、受動的な態度から能動的な態度へと変容する契機を提供することを目的として、音声認識や筋電信号を活用したインタフェースの開発を行った。重度障害者の多くは、発話等の意思表出が困難であり、周囲の意見に合わせる形で生活してきた結果、自分の意思を表現することを諦めがちである。しかし、「自分の行動が環境に影響を与える」という体験を得ることができれば、自己の主体性に気づき、自発的な行動のきっかけとなる可能性がある。そこで本研究では、音声でスマート家電を操作できる環境を構築し、単語をトリガーとしてスマートホームシステムを試作した。家電制御という明確な結果を伴うインタラクションは、障害を持つ人にとっても直感的に理解しやすく、操作に対する反応が視覚的に確認できるため、コミュニケーションの第一歩として有効であると考えた。しかし、発話自体が困難な人にとって音声認識は使いづらいため、代替手段として筋電センサを用いたインタフェースも開発した。筋電センサは筋肉の微小な動きに伴う電気信号を検出するものであり、体勢に依存せずに使用可能である。本研究では、センサで取得した信号をProcessingで解析し、「IFTTT」を経由して家電操作を行う仕組みを構築した。また、装着の簡便さと汎用性を高めるため、1つの筋電センサから得られる信号のみを用いて指の動作を判別する手法を検討した。LSTMモデルを用いた深層学習により、中指と人差し指の動作を分類するシミュレーションを行い、学習曲線の収束や高い識別精度を確認した。 今後は、意思的な動作と不随意運動とを区別する識別技術の精度向上に取り組むとともに、実際に障害を持つ人がこれらのシステムを使用する中で、自らの意思表出の可能性に気づき、どのように行動が変容するかについての実証的研究を進めていく予定である
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
3: やや遅れている
理由
本研究は、重度重複障害を持つ人が自身の意思を他者に伝える手段を獲得し、受動的な態度から能動的な態度へと変容する契機を提供することを目的として、音声認識および筋電信号を活用したインタフェースの開発を進めている。重度障害者の多くは発話や身振り、表情による意思表出が困難であり、小さい頃から周囲に合わせることで社会生活を送ってきたため、自らの意志を伝える経験が乏しく、成人後も受動的な態度にとどまってしまう傾向がある。本研究では、そのような人々が「自分の行動が環境に影響を与える」という経験を通じて、自身の中にある主体性に気づき、積極的な意思表出につなげることを目指している。初期段階では、WEBカメラ映像にオプティカルフローを適用し、手指動作の意図性を評価するモーションヒストリー解析システムを構築した。しかし、カメラと対象の位置関係が変化すると認識精度が著しく低下し、実用には至らなかった。その後、リアルタイムで手指の状態を検出するため、ディープラーニングを用いた画像認識モデルを試作したが、微小な動きの識別には限界があり、特に重度障害者にとって安定した入力手段とは言えなかった。そこで、より高感度な手段として筋電センサを導入し、指先の数ミリ程度の動きでも反応可能なインタフェースの開発に移行した。筋電信号はProcessingを用いて解析され、「IFTTT」を介して家電のオンオフや機能制御に利用できる環境を整備した。さらに、LSTMモデルを用いた深層学習により、1つの筋電センサから中指と人差し指の動作を分類することに成功し、装着の負担を抑えつつ高精度な判別が可能であることを確認した。研究の進捗は当初の予定よりやや遅れているものの、課題ごとに技術的な対応を重ねており、今後は不随意運動との識別精度向上、ならびに実利用に向けた被験者による評価実験を通じて、実用化に向けた検証を進める予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
本研究では、重度重複障害を持つ人のわずかな指の動作を捉えるために筋電センサを導入し、実験レベルでの信号取得を完了している。従来のオプティカルフローや画像認識ベースの測定方法では、測定対象とカメラとの空間的整合性に依存し、被験者の体動によって測定精度が著しく低下するという問題があった。一方、筋電センサは、筋肉の収縮時に発生する微弱な電気信号を検出することで、身体の位置や姿勢に依存せず数ミリ単位の動作を識別できる利点がある。本研究では、1つの筋電センサから得られる時系列データに対し、LSTMモデルを用いたディープラーニングによって指の動作を分類するシミュレーションを実施し、中指と人差し指の動作判別に成功した。モデルの学習曲線は安定して収束し、過学習も認められず、高精度な分類結果が得られている。 今後の研究の推進方策としては、この学習済みモデルを基盤とし、筋電センサを用いた指動作のリアルタイム判別を実現することが主眼となる。そのためには、まず得られた筋電信号をリアルタイムで処理可能な軽量モデルに変換する必要があり、モデルの最適化や推論処理の高速化を行う予定である。さらに、リアルタイムに判別された指動作の結果をユーザが即時に視覚的・聴覚的に認識できるよう、タブレット等の端末を用いたフィードバック表示システムの整備も進める予定である。これにより、障害を持つ人が自身の動作とその結果の関係を体感できるようになり、自発的な意思表出の契機となることが期待される。また、このリアルタイムシステムは、単なる動作認識にとどまらず、家電制御や支援機器操作など具体的なアウトプットと連動させることで、意思を伝えるための有効な手段として発展させることが可能となる。今後は、実験環境を発展させ、被験者による継続的な評価を通じて、実用性と効果の検証を進め、社会実装に向けた具体的提案へとつなげていきたい。
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