研究課題/領域番号 |
23K11980
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
佐保 賢志 立命館大学, 理工学部, 准教授 (00732900)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | レーダイメージ / 起立着座解析 / 歩容分類 / 認知症リスク評価 / レーダ / 高次運動情報 / イメージング / 身体機能評価 / 認知症リスク判別 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではイメージングレーダを用いた電波センシングにより、非接触・無拘束で「座って、立って、歩く」動作を1度計測するのみの超簡易な健康診断の実現を目指す。認知障害や身体機能低下に起因して生じる微細な運動変化を捉えるため、全身の高次運動情報 (胴体や脚など各部位ごとの加速度、加加速度などの高次運動パラメータ、及び各部位の速度時系列の波形変化情報) のイメージング法を開発する。そして高次運動情報イメージの機械学習に基づき、認知症などの健康リスク評価モデルを構築する。
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研究実績の概要 |
2023年度の研究実施内容は以下の3点である。各項目で詳細を述べる。 (1)健康情報と紐づいたレーダデータの収集: 3件の健康診断イベントにおいて、高齢者をはじめとするイベント参加者の歩行及び起立着座データを収集した。認知症リスクを測るための簡易なテスト(RDST)及び転倒リスクや身体機能障害のリスクを判断できる質問紙を実施し、運動機能と関連するクラス分けが可能なデータベースを構築した。また、新たな試みとして、1回の椅子立ち座りテストだけでなく、従来の運動疫学研究で多く用いられてきた5回椅子たち座りテストについてもレーダデータを収集し、この運動からも高次運動情報を抽出することを狙った。 (2) 起立着座動作の運動時系列解析と運動異常度評価への応用方法探求: 起立着座動作について、レーダで得られた運動軌道イメージから抽出した速度及び加速度時系列の分析する手法を開発した。得られた時系列の増減と極値を調べ、それら被験者間の違いなどから運動異常度を解析する手法、及び高分解能時間周波数解析に基づく人体各部位の運動情報取得手法を開発した。 (3)歩行運動レーダイメージへのVision Transformerの適用による認知症リスク診断法の開発: (1)及び前年度までに取得したデータを活用し、認知症リスクの高い高齢者と低い高齢者を歩行のレーダイメージから分類することに成功した。レーダイメージを身体運動の特性に合わせて分割した各ブロックに分割する手法と、画像処理における先端的な手法であるVision Transformerを活用することで86%以上の精度で達成した。さらに、この精度が深層学習ベースの従来手法より高いことも示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者の研究機関異動により当初計画とは1年目の実施内容は異なるものとなったものの、各研究課題を順調に実施できている。特に歩行運動レーダイメージの機械学習に基づく認知症リスク評価モデルは想定以上の判定精度を達成でき、この点の完成度は当初計画の目標に達している。一方で、起立着座の解析は基礎的な検討が引き続き必要なことも判明した。以上を総合的に判断し、上記区分の進捗状況とする。
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今後の研究の推進方策 |
起立着座動作の解析については、基礎的な高次運動情報イメージング法の開発から必要なため、引き続きこの課題に注力する。また歩行データを用いた検討については、認知症リスクよりさらに困難な問題である軽度認知障害の分類モデルを実現可能かについても進めていく。
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