研究課題/領域番号 |
23K12010
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 長野工業高等専門学校 |
研究代表者 |
嶋崎 太一 長野工業高等専門学校, リベラルアーツ教育院, 准教授 (20909311)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ニュートン / 実験哲学 / 『プリンキピア』 / 『光学』 / 「哲学することの諸規則」 / 自然哲学 / カント |
研究開始時の研究の概要 |
ニュートンは今日では、近代自然科学の大成者として評価されているが、同時に哲学者としての側面を有していた。ニュートンは、著作を『自然哲学の数学的原理』と名付け、自らの探究を「自然哲学」、「実験哲学」と称している。それでは、ニュートンにとって「哲学」とは何だったのだろうか。本研究は、この点を明らかにするため、ニュートンの哲学的立場がもっとも如実に反映された「哲学することの諸規則」の成立史を文献学的に究明し、かつその影響史を哲学史的観点から明らかにする。そして、これを通して「哲学者としてのニュートン」像の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
ニュートンの『プリンキピア』は初版(1787)、第二版(1713)、第三版(1726)、『光学』は英語初版(1704)、ラテン語版(1706)、英語第二版(1717/18)と版を重ねたが、改訂において重大な加筆、修正が加えられている。今年度は、『プリンキピア』における「哲学することの諸規則」の成立過程を究明するため、この改訂過程を整理し、ニュートンの哲学方法論の確立を跡付ける作業を行った。とりわけ「実験哲学」の立場が強調される1713年前後のニュートンの哲学方法論を検討した。また、『光学』ラテン語版および英語第二版における「分析」と「総合」の方法論をめぐる記述を精査した。 以上による研究成果は、(a)「哲学することの諸規則」成立過程、(b)ニュートンの哲学方法論の射程、という二つの観点からまとめられる。 (a)においては、ニュートン『プリンキピア』草稿にみられる「哲学することの規則V」の検討を行い、「規則V」はは膨大な草稿中に一か所だけ見出されるものであるが、これが「規則IV」と密接な関連の下で、実験哲学の立場の成立を背景としたものであることを突きとめた。また、第三版に加筆された「規則IV」が、一時期ニュートンが構想していた『プリンキピア』第三編における新たな「定義」の試みから派生したものであること、数学に対する哲学固有の方法論を明確化するための加筆であったことを明らかにした。 (b)においては、ニュートンの哲学方法論の射程として1710年代の神学関連の草稿に着目し、当時ニュートンが書きためていた「融和神学」に関する問題意識が、『プリンキピア』などの哲学方法論と重ね合わされることを確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では『プリンキピア』「哲学することの諸規則」の成立過程を明らかにすることが2023年度の目標であった。23年度の実績においては、特に「規則IV」及び草稿「規則V」の成立過程を明らかにすることができた。また『光学』における「分析」と「総合」の方法論と『プリンキピア』における哲学方法論との関連を明らかにすることができた。また、今後の研究に必要な資料を収集することができた。また、今後の研究において注目すべき論点などを見出すことができた。以上から、おおむね順調であると判断することができる。
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今後の研究の推進方策 |
23年度には必ずしも明らかにすることができなかった、「規則I」、「規則II」、「規則III」に関する研究を進め、1713年以前の哲学方法論の実態を究明する。また、「実験哲学」と「仮説」の関係を明らかにして、有名な「私は仮説を立てない」という言葉がなぜ『プリンキピア』第二版に置かれたのかを突きとめる。さらに「ライプニッツ・クラーク往復書簡」においてニュートンの哲学方法論がいかなる形で示されているのかを検討する。 以上を通して、「哲学することの諸規則」の成立過程をより包括的に解明する。
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