研究課題/領域番号 |
23K12014
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
劉 青 弘前大学, 人文社会科学部, 助教 (60897396)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 東洋医学 / 中国医学 / 日本医学 / 身体技法 / 道教 / 五臓六腑図 / 内景図 / 身体技法図 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、古籍に描かれた体内図や身体技法の図像の全面的な収集・分析を行い、東洋医学の身体観の全体像と変遷を明らかにする。文献調査を中心に据えつつも、図像解釈学の研究方法も導入することで複合的に分析を推進する。医学思想と道教文化の関係に焦点を絞り、医薬学と道教文化の接触境界領域に身体に関する図像の役割を見出す。さらに、日本に伝存する医薬書のなかの「体内図及び身体技法」の図像を収集・整理すること、そしてその分析に基づき、身体に関する図像と身体観の日本への伝播状況と日本独自の展開を明確にする。
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研究実績の概要 |
本研究は、東アジアの伝統医学の身体観の諸相を明らかにするため、医学書の体内図及び身体技法の図像を中心に、図像の性格及び歴史背景、宗教信仰、社会文化を探りながら、理論的にその成立過程を分析することを目指す。本年度は、国内外における未整理状態の医学、道教文献のうち、特に体内図及び身体技法に関連したものを中心に、できる限り網羅的に捜索、調査、収集した。具体的には、 1、日本国内で医学文献を所蔵する主要な図書館・資料館・博物館のデータベースおよび図書目録を基に、関連する医学書、医学図像を現地調査し、重要資料を撮影、複写した。 2、2023年8月、香港中文大学道教文化研究センターに訪問し、香港中文大学図書館に所蔵される道教医学書・医学図像を網羅的に捜索・調査し、香港における医学文献研究の現状を概ね把握した。 3、2023年5月と10月の二回に分け、韓国慶煕大学校医学史研究室、慶煕大学校医学資料館、韓国中央図書館、ソウル大学奎章閣にて、文献調査を行い、明版医学書の珍本を発見し、調査と写真撮影を起こった。 以上の考察によって得られた成果を、論文「『医方類聚』與元明時代的養生思想」(「『医方類聚』と養生」国際シンポジウム論文集 25-36頁 2023年10月)、学会発表「近世における道敎の寿命論及び延寿思想 ―『三元延寿参賛書』の「三元之寿」を中心に」(日本道教学会 第74回大会 2023年11月)としてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度、香港中文大学図書館、韓国慶煕大学校医学史研究室、慶煕大学校医学資料館、韓国中央図書館、ソウル大学奎章閣において資料調査を行い、特に『医方類聚』に記されている身体技法に関連する図像・記載と、元明時代の医学書との関連性を把握した。また、日本国内においては、東京・京都・大阪・仙台等で実施した文献資料を通じ、日本に渡来した体内図及び身体技法に関する記録を検討した。加えて、次年度に予定している中国・朝鮮の医学文献との比較作業に向けて準備を整えた。以上により、文献調査及び資料整理、分析がおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後については、身体技法の図像に重点を置き、文献調査と思想分析の2つの面から研究を推進したい。主要な研究テーマは、次の2点である。 1、導引術と八段錦の図像 中国伝統医学文献に導引術、とりわけ八段錦の様相を明らかにしたうえで、朝鮮、日本の医学・道教文献に見られる身体技法の図像と記述を考察し、導引術が朝鮮、日本伝統医学に与えた影響を検討する。 2、朝鮮医学書『医方類聚』『東医宝鑑』にある体内図及び身体技法の図像について検討し、その形成と展開を追跡する。
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