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アメリカ合衆国の公共領域と宗教の研究 ―宗教右派の教育戦略―

研究課題

研究課題/領域番号 23K12020
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分01030:宗教学関連
研究機関東京大学

研究代表者

佐藤 清子  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (10816391)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2027年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
キーワード福音派 / ホームスクーリング / ジェンダー / インターネット / 宗教と文化 / 宗教の自由 / ポスト世俗 / 宗教と教育 / キリスト教ナショナリズム
研究開始時の研究の概要

アメリカ合衆国において、政治に活発にかかわる宗教的保守派(宗教右派)が公共領域に及ぼす影響は、新たな局面にある。キリスト教ナショナリズムを掲げる宗教右派が、宗教の自由を主張し、存在感を高める一方、無宗教者が急増しており、分断が深まっている。そうした中、宗教右派は教育を通じアメリカ全体を変えようとしている。本研究は、公共領域の変革と公共領域からの離脱、二方向ですすむ宗教右派の教育戦略を包括的に捉え、「ポスト世俗」における宗教の公共領域へのかかわりに迫ろうとするものである。

研究実績の概要

本科研プロジェクト初年度である2023年度前半は、アメリカ合衆国における宗教右派のホームスクーリング(HS)運動についての基礎研究をすすめ、制度の実態の確認と代表的な福音派むけHS歴史教科書の分析を行った。
夏までの研究成果は、日本宗教学会第82回学術大会(東京外国語大学、9月9日)において、「アメリカ合衆国におけるホームスクーリングと宗教の動向」として発表した。米各州がそれぞれに制度を用意しているものの、全般的にいってHSが相当程度自由に選択できる実情をまとめるとともに、資料として入手した2種類の「キリスト教的」歴史教科書を分析し、共通する特徴とバリエーションを指摘した。
研究を進める中、HS運動を支える福音派の独自文化の重要性、そしてそのジェンダー規範――家庭の中心としての女性(母親)――が、インターネット上で情報発信を行うインフルエンサーの活動によって広く流通し、影響を広めている重要性が浮かび上がった。そのため年度後半には、HSの様子をYouTubeやSNSを通じて発信している女性たちに着目し、調査をすすめた。
男性と女性が異なる性役割を担うことこそが「聖書的」であるとの理解は福音派に広く共有されて力をもち、近年も複数の研究書が出されている。世俗的アメリカ文化から洗練された最新のスタイルを取り込みつつ、福音派独自の保守的ジェンダー規範と合致させ、家庭をあずかる女性(母親)がHSを行う「ライフスタイル」を、とくに女性視聴者に対し魅力的なものとして提示する手法が、現代福音派のHS拡大と、コミュニティ全体の活気を支えているのではないか、こうした見通しを得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の目標であるHS制度全体像の把握と、代表的教科書の分析において、一定の進捗があったといえる。また、福音派独自のジェンダー規範や文化の重要性という、今後の研究を方向づける新たな発見を得ることもできた。

今後の研究の推進方策

本研究は当初計画では主にHS教材の分析を行う予定だった。今後も、既に入手した資料に加え、数を増やすかたちで分析を進めていく予定である。その一方、女性インフルエンサーによるHSを含むライフスタイルの発信という、福音派HS運動の重要な一側面が見えてきた。本研究の最大の関心――福音派が教育を通じてアメリカをどのように変革しようとしているのか――に迫るため、当初計画とはやや異なるが、これらの現象の把握と分析も、同時に進めていく予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 「アメリカ合衆国におけるホームスクーリングと宗教の動向」2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤清子
    • 学会等名
      日本宗教学会第82回学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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