研究課題/領域番号 |
23K12048
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 東京工芸大学 |
研究代表者 |
丁 智恵 東京工芸大学, 芸術学部, 准教授 (90794545)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | メディア / 映像 / 記憶 / ポスト帝国 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまでの時代ごとに細分化された専門領域の枠組みを超え、戦前から戦後を連続的に捉え、〈朝鮮〉という対象を中心に植民地的記憶の変遷を考察した上で、戦前から構築されていた〈帝国〉の映画人ネットワークについて検討する。1945年以後の東アジアでは、帝国の解体と冷戦の到来を経て複雑で異種混淆的なネットワークを生み出していた。本研究ではこれまでの映画研究で見過ごされてきた〈ポスト帝国〉という枠組みを用い、この時代の越境する映画人らの創作活動の足跡を辿る。ここでは〈ポスト帝国〉のネットワークの諸相を明らかにし、これが冷戦期東アジアにおいて映画人らの創作やその後の活動に与えた影響を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、戦前から戦中にかけての帝国の映画人らのネットワークが、1945年以後の帝国崩壊、敗戦、植民地の解放以後に、冷戦の到来などの新たなる支配状況の下全く異なる空間と社会情勢のなかでどのように「再構築」され、独自の創造性を生み出していたのかを考察するために、関連する資料調査やインタビューを行い分析を進めるものである。初年度においては、当初の計画通り本研究の対象となる冷戦期に日本や朝鮮など〈ポスト帝国〉のネットワークを築きながら活躍した日本や朝鮮の映画人らについての基本的な調査を行なった。具体的には、50年代に在日朝鮮人映画運動を展開していた映画監督や関連の映像資料の収集・保管を続けてきたアーキビストなどへのインタビューを行なった。さらに、フィールドワークとして韓国映画資料院や関連資料館を訪問し、植民地解放後に日本から朝鮮に戻り活躍した映画人などの貴重な資料の調査を行ない、映像資料のデータベースの作成を行なった。 さらに、これまで行なった研究の中間報告として、AAS in Asia(韓国・大邱開催)ヨーロッパ日本学会(EAJS ベルギー・ゲント開催)やオーストラリア日本学会(JSAA オーストラリア・シドニー開催)、オークランド大学でのワークショップ(ニュージーランド オークランド開催)などに参加し、研究報告を行い、関連するアジアやヨーロッパ、アメリカ方面の研究者らとの活発な議論を行い、学術的なネットワークを構築することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内外の学会(オーストラリア、ベルギー、韓国、東京)や研究会(東京、神戸など)での発表、さらに韓国映像資料院や神戸映画資料館、国立映画アーカイブなどでの資料調査やインタビューも順調に進み、関連する研究者とのネットワークを着実に築きながら、資料のアーカイブの整理も進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は引き続き、〈ポスト帝国〉でネットワークを築きながら活躍した映画関係者の金順明、安慶鎬、岸富美子、北林谷栄などの創作活動の軌跡を冷戦期東アジアと〈ポスト帝国〉という視点から辿るために、引き続き国内外での資料調査を実施し、関係者へのインタビューを行う。さらに、その中間報告として国際学会や研究会などに参加し研究発表を行なっていく。
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