研究課題/領域番号 |
23K12049
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
白井 史人 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 准教授 (20772015)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 映像音響研究 / 戦後前衛音楽 / 音楽学 / 映像学 / 西ドイツ / 映画の音楽 / 映像メディア / 表象文化論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は第2次世界大戦後の西ドイツの前衛音楽と映像メディアがいかなる関係にあったのかを明らかにすることを課題とする。具体的には、ベルント・アロイス・ツィンマーマンによる映像メディアを媒介とした総合的な表現、ハンス・ヴェルナー・ヘンツェによる映画の音楽、マウリシオ・カーゲルの映像作品における音楽史に対する批判性などを分析対象とする。音楽学・映像学を横断する問題設定のもと、在外資料館における一次資料の調査・分析などを通して、同時代の西ドイツの実践と地域を超えた映像メディアをめぐる変化の実態を解明する。その成果は、研究会・上映などの学術イベントや書籍を通して学術界および一般へ公開していく。
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研究実績の概要 |
本研究は第二次世界大戦後の西ドイツの前衛音楽と映像メディアがいかなる関係にあったのかを明らかにすることを課題としている。音楽学・映像学双方の領域を横断する問題設定のもと、在外資料館における一次資料の調査・分析などの歴史研究および作家研究の手法を徹底する。主な研究対象とする3名の音楽家の活動を重ね合わせて分析することで、同時代の西ドイツの実践と、地域を超えた映像メディアをめぐる変化の実態の双方を解明する。その成果を内外の学術界で研究発表するとともに、現場および一般への成果公開を目指す。 令和5年度は、当初の計画に沿って、研究対象とする3名の作曲家に関する文献収集および調査を進め、所属機関における研究環境の整備を行った。また9月にはドイツへの国外出張を実施し、ケルンおよびベルリンで文献資料の収集や専門家との意見交換を進めた。とりわけ、ベルリンのドイチェ・キネマテークにおける調査では、同時代に発表された映画批評を体系的に調査したほか、楽譜や研究文献の収集においても一定の基礎的成果が上がった。また共編著を務めた『ベートーヴェンと大衆文化』では、当研究課題が対象とする時代に先行する無声映画期からトーキー初期において、ベートーヴェンが映画でいかに受容されたかを論じた。これらの成果に基づき、戦後の西ドイツにおける事例のさらなる研究へとつなげていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内外の資料収集や、9月のドイツにおける国外出張に関して一定の成果は上がったものの、航空費・滞在費等の高騰の影響もあり、当初の研究計画において予定していたスイス・バーゼルにおける資料調査を年度内に実施することが困難であった。しかし、2024年3月に所属機関で実施されたドイツ語圏の文化・文学に関するゼミナールにて参加者と意見交換を進めるなど、国内のドイツ語圏の文化に関する研究者とのネットワークの構築においては一定の成果が上がった。年間の成果を総合すると、在外資料館における資料調査に関する進展の遅れを鑑みて上記の判断となった。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、すでに収集した資料の調査・研究を当面の課題として継続する。また今年度に予定していたスイスでの資料調査の実施を計画するとともに、国内の学会などでの研究成果の発表や所属機関におけるワークショップ・上映会の実施を目指す。 令和7年度以降は、研究の進捗状況を踏まえ、ドイツ語圏における資料調査および研究成果発表も実施する予定である。また当初は令和7年に実施する予定であった国外からの研究者招聘をともなうシンポジウムに関しては、実施時期や方法(オンライン化など)も検討し、研究費の枠内のなかで実施を目指す。
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