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イエズス会と17世紀の美術ー「往生術」と初期キリスト教図像に関する研究ー

研究課題

研究課題/領域番号 23K12053
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分01060:美術史関連
研究機関東京藝術大学

研究代表者

荒木 智子  東京藝術大学, 美術学部, 助手 (20965272)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワードイエズス会の美術 / バロック / ローマ / 初期キリスト教 / キリスト教美術 / 17世紀美術 / 往生術 / イエズス会
研究開始時の研究の概要

17世紀の美術は基本的にカトリック教義に沿うものであるが、世紀を通して同じ様式が引き継がれたわけではなく、幾つかの異なる局面を呈している。本研究では同時代のカトリックの趨勢の中で、とりわけイエズス会の活動と共に変化した美術の諸局面のうち主に大きく2点に着目し、検証する。
第1の局面として、1630年頃を境にローマに突如として現れた「死」のイメージにまつわる問題を、16世紀より復活した「往生術」文学ジャンルからの影響と捉え、前後の時代の文学的・教義動向と、芸術家たちの活動を調査する。そして第2の局面として、キリスト教考古学の黎明期としての17世紀における初期キリスト教の図像扱いについて検証する。

研究実績の概要

17世紀ローマにおけるイエズス会の美術について、まずは「往生術」と初期キリスト教美術に関して主に同時代の神学者によるテクストの精査を中心に、今後の基盤となる調査研究を行なった。
アントニオ・ボジオ(c. 1575-1629)やイエズス会士でもあり碩学のアタナシウス・キルヒャーらによる初期キリスト教考古学に関連する書物を整理し、随時内容精査に努めている。文献調査に際し、8月にローマへわたり、主としてヘルツィアーナ図書館を拠点とし、調査を行なった。調査のための渡航は、7月末のローマ、バルベリーニ宮(国立古典絵画館)での展覧会「L'immagine sovrana. Urbano VIII e i Barberini」の開催に合わせて遂行した。本研究の調査対象でもあるバルベリーニ家出身のウルバヌス8世の大規模な展覧会であったため、いくつかの作品の実見が叶い、図版用の資料を作成についても併せて行なった。同展でボジオの著作『地下のローマ』を実見したことから、これに関連する調査報告をまとめ、論文とした(成果1)。また10月には研究の方向性を公表するために、発表を行なった(成果2)
成果1: 「Le imprese della famiglia Barberini sotto il pontificato di Papa Urbano VIII: L'Alba dei primi studi paleocristiani」、『東京藝術大学西洋美術史研究室紀要』、vol. 21 (2023)
成果2: 「ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ作《救世主》(Salvator Mundi) キリストの顔についての考察」、美術史学会例会 (於 学習院大学)、2023年10月7日

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

渡航の際に当該研究に有益な展覧会を訪れることができ、関連作品や資料をかなりまとまった形で実見することができた。同展覧会により、バルベリーニ家のコレクションや科学・文芸への貢献の成果を幅広く実見することができ、自身の研究へ活かすことができたと言える。また2件の成果を発表することができており、概ね順調であると言える。
渡航においてはコロナの影響も無くなり資料収集や作品の実見活動のための渡航の際には、他国に所蔵される作品実見も叶い、画像資料収集が捗った。一方で続く円安の影響は大きく、主に渡航費・滞在費、および海外の書籍購入費によって経費を圧迫した。これによりデータベース作成関連のOA機材の準備が叶わず、本研究用にまとまった形でデータの蓄積を行う準備を1年目に設定していたものの実現していない。

今後の研究の推進方策

上述のように、データベース作成のための機材の準備は本研究において喫緊の課題であるが、これに関しては渡航による資料収集が基本的には優先されるため、今後の経済状況を注視しながら随時準備していく。
今後は、資料の収集や実見活動を昨年度の研究拠点としたヘルツィアーナ図書館から、ローマ・イエズス会文書館やヴァティカン図書館へと移していき、より多くの一次史料の収集に努めたい。
また収集した1・2次史料を精査し、研究の経過について随時論文や口頭発表という形で公表することを目標としている。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Le imprese della famiglia Barberini sotto il pontificato di Papa Urbano VIII: L’Alba dei primi studi paleocristiani2023

    • 著者名/発表者名
      荒木智子
    • 雑誌名

      Aspects of problems in Western art history (東京藝術大学西洋美術史研究室紀要)

      巻: 21 ページ: 59-64

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ作《救世主》(Salvator Mundi)―キリストの顔についての考察―2023

    • 著者名/発表者名
      荒木智子
    • 学会等名
      美術史学会 例会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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