研究課題/領域番号 |
23K12074
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 足利大学 |
研究代表者 |
俵 章浩 足利大学, 工学部, 准教授 (00816788)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2027年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | イブン・スィーナー / 植物論 / イスラーム写本 / イスラーム科学史 / 植物学史 / イスラーム科学 / アラビア語写本 / 科学史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中世イスラーム世界(八世紀~十五世紀においてイスラーム教の影響が及んだ地域)における植物学の状況を明らかにすることを目的とする。イブン・スィーナー(980~1037年)の『植物論』を対象として、その技術的・思想的内容の典拠を探り、彼の学問体系に位置づけ、さらに後の時代への影響を明らかにすることを目指す。そのため、欧米や中東の図書館等に保存されているアラビア語の写本を調査する。
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研究実績の概要 |
2023年度は本研究課題の初年度であった。初年度の計画としては資料の収集を主な作業としていたが、その計画をおおむね達成したと言える。 まず、アラビア語の一次資料の収集については、2023年8月から9月にかけて、英国オックスフォードのボドリアン図書館で行った。より詳細にはボドリアン図書館群を構成する一つの図書館であるウェストン図書館の貴重書室で、アラビア語写本の閲覧と撮影を行った。当初の実施計画通り中世イスラームの植物学に関する資料を対象とした。植物学関連資料の検索方法として、隣接領域の医学に関するアラビア語写本のカタログがすでに出版されており、それを活用することでスムーズに資料にたどり着くことができた。さらに、ボドリアン図書館の写本検索ウェブシステムが2019年に利用した時に比べて格段に改良されており、検索・閲覧請求の作業を円滑に行うことができた。合計で十一冊の写本を撮影し、総ページ数は約五百ページである。また、撮影と並行して、重要度が高いと思われる箇所については読解も進めた。これらはいずれも手稿であるため他の場所で見ることができないものであり、またウェブ上などで公開もされていない。そのため、これらの資料を入手することの意義は大きい。 また、二次資料については、年度を通じて収集して読み進めることができた。重要性が高いものは購入し、絶版等で購入が難しいものは学外から取り寄せて複写した。本研究計画遂行の前に、すでにイスラームの医学について研究していたため医学や薬学に関する資料は所持していた。しかし、植物学はそれ以外にも、自然学や園芸学にも関連するため、それらの領域についての資料を新たに購入した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題においては、国外図書館での写本画像データの入手が中核的な作業である。その作業を当初の計画通り実施できたため、進捗状況としてはおおむね順調と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は前年度に調査したのとは異なる図書館においてさらに資料の収集を進め、その調査に基づく成果を発表していく。具体的には2024年夏季にはイスタンブルの図書館で調査を行い、2025年夏季には国際科学史技術史学会での発表を計画している。
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