研究課題
若手研究
これまで『古事記』は日本的に訛った変格漢文によって、『日本書紀』は中国の規範的な文言文である正格漢文によって記述されていると画一的に捉えられてきた。しかし、それら上代文献の文字表現は必ずしも一律ではなく、大陸や半島の多様な文字文化の影響を受けて成り立つ。本研究は、上代文献の文字表現に見られる〈文化的な多様性〉を具体的に指摘し、漢語と和語が接触するなかで生じた介在言語の実際を把握することを目標とする。