本研究は、従来の研究が触れてきた日韓モダニズム文学の関連性を、個別の作品研究にまで広めることを目差すものである。そのためには特定の作家研究から離れ、当時の文壇の全体像を把握する必要がある。本研究では、従来の研究が顧みなかった、当時の文芸雑誌の具体的な比較研究を行い、両国のモダニズム文学の発生と発展が、単なる影響関係を超えた同時代性を有していたことを検証する。このような試みは、欧米から日本へ、日本から韓国へといった、一方的な影響関係に重点を置いてきた今までの研究を修正し、東アジアの文化圏の特徴を探る上で極めて重要な取り組みであると考える。
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