研究課題/領域番号 |
23K12089
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
北林 茉莉代 創価大学, 公私立大学の部局等, 助教 (00796063)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 仏教文学 / 唱導文学 / 近世唱導 / 日蓮宗寺院 / 寺院資料 / 寺院所蔵文献 / 書誌学 |
研究開始時の研究の概要 |
日蓮宗総本山身延山久遠寺のある山梨県は、日蓮宗の信仰が厚いことで知られる。また、近世、日蓮教団が活発な出版活動を行ったことは有名である。 本研究は「近世の日蓮教団における唱導資料の生成過程ならびに利用の実態」を探ることを目的としている。そのため、身延山久遠寺および周辺寺院を中心に調査を行い、近世に書写または出版された唱導資料の分析を行う。調査・分析をとおして、近世の日蓮宗寺院において説話・唱導がどのように享受され、制作・改作・利用されたか、検討する。
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研究実績の概要 |
初年度となる当該年度は、事前準備に力を入れた。研究計画では、以下の三段階について、七つの工程を予定している。すなわち、「資料のリストアップ」の段階では、①身延山久遠寺に所蔵されている近世唱導資料のリストアップ、②身延山大学図書館に所蔵されている近世唱導資料のリストアップ、③山梨県内の日蓮宗寺院へのアプローチ、「実地調査」の段階では、④資料の撮影・複写、⑤撮影データの整理、「資料分析」の段階では、⑥とくに検討を加える唱導資料の選定、⑦本文の検討である。本研究は「近世の日蓮教団において、どのように唱導資料が制作・改作・利用されてきたか」探ることを目的としているため、上記の作業を行うものとした。 当該年度は「研究環境の整備」として、研究に必要な備品や書籍の購入を行うとともに、②身延山大学図書館所蔵資料のリストアップを行い、一部の資料について、⑥資料の選定を行った。なお、身延山大学図書館は「日本十進分類法(NDC)」とは異なる分類をしている。「日本十進分類法」では「188.9 日蓮宗」の項があり、「日蓮宗派のうち創価学会,中山妙宗,立正佼成会以外の日蓮宗各派は,ここに収める」と定めている。一方で、身延山大学図書館では、「N 日蓮宗 宗典」の大項目を「N0」から「NA」までの100項目で細分化している。当該年度はその小項目ごとに「近世に刊行された和書」をリストアップし、該当する文献が唱導資料として使われたものか検討を加えた。一部、刊行年代が不明の文献、唱導資料として利用されたか判断できない文献、なお検討が必要な文献もあったが、②の作業は概ね完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
自己点検評価で「当初の予定よりやや遅れている」としたのは、「実地調査」が行えなかったことによる。上述のとおり、「②身延山大学図書館に所蔵されている近世唱導資料のリストアップ」は概ね順調に進行したが、所属機関の長期休業期間に「実地調査」を行うことができなかった。これは、新しい研究機関への着任に伴い「環境整備」をする必要があったこと、そのために本格的な作業が下半期にずれ込んだこと、以上の二点に起因する。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策として、長期休業期間に「実地調査」を行い、④資料の撮影・複写、⑤撮影データの整理を行うものとする。また、当該年度、②身延山大学図書館に所蔵されている近世唱導資料のリストアップと、⑥唱導資料の選定を並行して行ったように、翌年度も①身延山久遠寺に所蔵されている近世唱導資料のリストアップと、⑥唱導資料の選定を並行して行うことで、作業効率が上がると考えている。
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