研究課題
若手研究
本研究の主題は、1890年代から1910年代の国語・国文学研究におけるドイツ語圏の学術との接触である。研究対象とするのは、日本語・日本文学研究の近代化を主導した芳賀矢一と上田万年の仕事である。本研究の目的は、芳賀と上田が、どのような状況に置かれ、ドイツの研究方法に対してどのような取捨選択を行い、その結果としてどのような国語・国文学研究が確立したのかを明らかにすることにある。そのコンテクストを、日独の両面から実証的かつ総合的に検証するにあたり、芳賀と上田の著作、彼らが参照したドイツ語の著作、留学に関する記録を調査し、日独の18世紀以降の思想的・社会的・制度的基盤を明らかにする。