19世紀末から20世紀初頭にかけてアイルランド及びスコットランドにて展開した文化運動「ケルト復興」に着目し、この分野の研究が従来文芸的運動としての一側面からしか捉えられてこなかったのに対し、本研究では文芸と同等に影響力を持った工芸美術の創作・展示活動つまりアーツ・アンド・クラフツ運動にも重点を置いて調査を遂行する。 本研究では、この運動に関わった個々の代表的文芸家ならびに同時代の工芸美術家が、それぞれどのような作品を創作し、どの程度の受容を得て当該地域の文化の発展に貢献し、民族的アイデンティティの美的な表現形態を確立したのかを明示していく。
|