| 研究課題/領域番号 |
23K12121
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| 研究種目 |
若手研究
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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| 研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
細野 香里 慶應義塾大学, 文学部(日吉), 助教 (40906822)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2027年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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| キーワード | 扇情主義 / 南北戦争 / 感傷主義 / 拡大主義 / 奴隷制 / 自伝 / 米墨戦争 / 出版文化 / 扇情小説 / 家庭性 / 領土拡張 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1840年代のアメリカで隆盛した扇情主義的文学作品が、19世紀アメリカの領土拡大の機運と白人優越の人種ヒエラルキーの構築にいかに寄与し、あるいは批判を加えてきたのかを明らかにする。そのための分析対象として、アメリカ扇情主義の代表的作家とされるジョージ・リッパードによる都市犯罪小説群および米墨戦争を主題とした作品群に加え、ウィリアム・W・ブラウン、フレデリック・ダグラスらによる奴隷体験記、そしてマーク・トウェインの後期小説作品を取り上げる。これらの南北戦争をまたがる時期に生み出された作品群の検討を通じ、トランスベラム期のアメリカ文学における扇情主義を複合的に評価する。
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| 研究実績の概要 |
2024年度の研究実績は以下の3点に大別される。1点目は、扇情主義文学作家ジョージ・リッパードの米墨戦争ロマンス作品の分析である。『クエーカー・シティ』(1845)をはじめとした都市犯罪小説ジャンルは、リッパードの作家性を表すものとして説明されるが、彼は同時代に勃発した米墨戦争を題材とする戦記物も手掛けてもいた。本研究では彼の米墨戦争作品の一つ『メキシコの伝説』(1847)を取り上げた。リッパードが、同時代の米墨戦争を巡る文物から遠い南西の異国の情報を取り入れ創作した本作は、アメリカにおける拡張主義の機運を反映すると同時に、作家自身の独特な社会改革思想を娯楽的なプロットに乗せて読み手に伝える。作中の米墨戦争表象において扇情性がいかに機能しているのかを検討し、口頭発表を行った。 2点目はマーク・トウェインの『自伝』分析を通じた扇情主義の検討である。トウェインの『自伝』は、口述筆記者の前で作家が時系列を無視して気分の赴くままに過去を語るという手法により執筆された。その際、新聞報道記事が参考資料として活用されているのが本『自伝』の大きな特徴の一つといえる。しかし本『自伝』における新聞記事の役割は補助的なものにとどまらず、特に扇情的な事件や事故を伝える記事は、作家の社会改革思想を伝える手段としても機能していることを明らかにした。上記の内容を日本語論文にまとめ、2026年刊行予定の論集に寄稿した。 3点目は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ウースターのアメリカ古物協会での資料調査である。同協会が所蔵するジョージ・リッパード編集の週刊新聞『クエイカー・シティ・ウィークリー』(1848年12月~1850年6月)のうち、1850年発行分を閲覧し、画像データを持ち帰った(それ以前の発行分については既にデータ収集済)。今後は収集データの整理・分析が課題となる。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は当初予定していた海外資料調査を実施することができた。また、刊行には時間差が生じているものの、予定していた研究課題の成果を論文としてまとめることができている。よって本研究はおおむね計画通りに進んでいると言える。
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| 今後の研究の推進方策 |
次年度は、上述の口頭発表内容を論文化し適切な媒体を通じて刊行することを目指しつつ、ジョージ・リッパードの米墨戦争関連の作品の分析を継続して行う。加えて、本年度の資料調査で収集したデータの整理を行いながら、彼の代表作『クエイカー・シティ』における扇情性分析に着手する。その際、白人性研究を補助線とするため、当該分野における近年の研究動向を改めて精査する。 並行して本年度開始したフレデリック・ダグラスの奴隷体験記における感傷的・扇情的レトリックの効果の分析を進める。具体的方策としては、感傷主義についての先行研究を踏まえながら、ダグラスの各著作におけるレトリックの異同・変化を比較検討し、扇情性の観点から議論を発展させる。次年度中にその成果を何らかの形でまとめることを目標とする。
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