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連邦作家計画リヴィング・ロアにおける<声>の多角的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K12125
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分02030:英文学および英語圏文学関連
研究機関中央学院大学

研究代表者

峯 真依子  中央学院大学, 現代教養学部, 准教授 (90808693)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワード連邦作家計画 / リヴィング・ロア / ニューディール政策 / アメリカ議会図書館 / B. A. ボトキン / ラルフ・エリスン / 声 / ニューディール期 / WPA
研究開始時の研究の概要

本研究は、「21世紀版連邦作家計画法」の草案が2021年7月、下院に提出されたように、コロナ危機の昨今、大恐慌時代の連邦作家計画が再び求められている今日的な要請に応える為、1930年代の連邦作家計画の「リヴィング・ロア」(=人々による声の語り)を再評価するものである。大恐慌下の人々のリヴィング・ロアの<声>、その<声>を書き留めた作家自身の<声>、フォークロア部門が集めた人々のヴァナキュラーな<声>、当時の政府が目指した国民統合の底流にある文化多元主義としての「多からなる一」の<声>など、連邦作家計画が記録した<声>を多角的に研究する。

研究実績の概要

令和5年度は、B. A. Botkinが中心となって収集を始めた「リヴィング・ロア」についての概念の整理を、アメリカ議会図書館のフォークロア部門のBotkinの前任者であるJohn Lomaxとの比較において行った。

前任者のLomaxが南部へと出かけて行き、商業主義による画一化の波に抗いながらも「消滅しかかっているフォークロア」を保存するために収集したのとは異なり、Botkinは、「リヴィング・ロア・プロジェクト」という独立組織をニューヨーク、ニューイングランド、シカゴのといった3か所の都市部に設置した。そこにはアメリカのフォークロアは都市化や都市において、常に変化し続けるものであり、また今この瞬間に新しく生まれ続けるものであるというBotkinのフォークロア理解があった。そのことが意味するのは、Botkinのフォークロアは、ある場所から別の場所に移動するものであり、かつ地方文化と都市文化や、ハイブロウな芸術と大衆文化等の、様々なものの即興的な混ざりあいであったということ。また、変化の中で常に新しく生まれ続けるアメリカ的なフォークロアが持つ、そのような積極的な価値を「リヴィング・ロア」が見出そうとしていたことを、明らかにした。
Botkinによるニューヨークの「リヴィング・ロア」ユニットで働いていたラルフ・エリスンは、ハーレムで数百人にインタビューを行い、子供の遊び歌、南部出身者によるフォークロア収集を行たが、その提出された原稿には、いかに、遊びの中のわらべ歌が場所と時代の変化とともに変化しているか、それぞれの違いが分かるよう比較する書き方・内容となっている。またエリスンの連邦作家計画を振り返った発言には、即興的に様々なものを混ぜるのがアメリカ的やり方であることを主張する内容が見出された。エリスンの資料からもBotkinのリヴィング・ロアの方針を裏付けることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Botkinの「リヴィング・ロア・プロジェクト」のあったニューヨーク、ニューイングランド、シカゴの公文書館・図書館で調査を行う予定であったが、昨今のドル高などの影響により長期の米国での資料調査はできなかった。

しかし、2022年11月にマサチューセッツ大学出版局より出版した連邦作家計画についての自著(共著)*Rewriting America: New Essays on the Federal Writers' Project*のイベントが、2023年6月にアメリカ議会図書館で開催されたため出席し、そこでアメリカの研究者らと意見交換を行い、それにより連邦作家計画における「リヴィング・ロア」の役割の解明への大きな足掛かりを得ることができた。メールだけでなく、数か月に1度開催される米国の研究者らやニューディール政策に関して調査し、アーカイヴ化を進めている市民団体のメンバーらの集まる連邦作家計画のオンラインでの研究会(The Living New Dealの一連のイベントや、Virginia Libraryの主催するPanel Discussion | The Legacy of the Federal Writers’ Project in Virginia などの複数のイベント)には必ず参加しているため、全米各地に散らばっている資料の所在について、つまり現地での資料調査を効率的に進める準備は格段に捗っているといえる。

今後の研究の推進方策

令和5年度はイギリスのアメリカ学会(British Association for American Studies)での研究発表を行い、イギリスの連邦作家計画について研究する研究者らと知己を得て、また前述のアメリカ議会図書館でのイベントを通じて、連邦作家計画に関する第一人者の研究者らとの意見交換を得る中で、歴史研究をする彼らから多くを学んだが、しかし本研究のように文学研究として連邦作家計画にアプローチしている研究者は殆どいないことがわかった。したがって、本研究の方針は変えず、このまま連邦作家計画のリヴィング・ロアにおける<声>をキーワードにしながら、フォークロア、ドキュメンタリー作家によるルポタージュなど、横断的に分析していきたい。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Tracing American Road Narratives’ Origins to Federal Writers' Project Guidebooks (1935-1943)2023

    • 著者名/発表者名
      Maiko Mine
    • 学会等名
      British Association for American Studies
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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