本研究は文学研究とジャーナリズムの2つの学問領域の接点を読みの実践において再統合するものである。ニュースも文学作品同様に、読者が日常生活で経験したことのないものを、語りを通して経験させるものであり、ジャーナリストや作家はこれまで語り方を工夫してきた。さらにインターネットが発達した現代では、読者・視聴者の解釈が文学作品だけでなくニュースの意味を大きく左右するものと考えられてきている。これらの共通項を念頭に本研究は、インターネットによって言語やイメージが断片化され、複数の文脈と結びつき得る「ポスト真実」の状況において、私たちが事実をどう読み解いているか、あるいは読み解くべきかを明らかにする。
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