研究課題
若手研究
政治家、聖人、芸術家など様々な人物の人生を語る「伝記」は、ヨーロッパにおいて古典古代以来の伝統をもち、今日においても「伝記」的創作物は、文学、絵画、映画など様々なジャンルに見られる。批評家サント=ブーヴが「伝記の世紀」と呼んだほどに「伝記」ジャンルが花開いたロマン主義時代のフランスに注目しながら、「伝記=人生(vie)」に強い関心が向けられた根拠を検討することで、〈他者〉の「人生」がいかに〈自己〉の確立に寄与するのか、〈他者〉と〈自己〉の関係に文学がいかに関わるのか再考する。