研究課題
若手研究
本研究の目的は、梅毒やエイズといった性感染症がロシア文学の作品のなかでどのように表象され、作中で機能しているのかを詳らかにすることである。性感染症は、性労働者やセクシュアル・マイノリティといった、特定のマイノリティ集団に関するステレオタイプを再生産し、差別や偏見を助長するスティグマ的機能を有していた。それゆえ、本研究を通して性感染症の意味付けを批判的に問うことは、周縁化されたセクシュアリティを生きる人々の文化的表象を明らかにするうえで必要不可欠なものであろう。