研究課題
若手研究
本研究は、フランス7月革命およびポーランド・リトアニア11月蜂起を経た後の時代、すなわち1830年代後半から1840年代の、フリデリク・ショパンのピアノ曲作品(特にOp. 44、Op. 49、Op. 61)と、彼に影響を与えたであろうポーランドやフランスの文人・詩人たちの作品、特にアダム・ミツキェヴィチの詩劇『父祖の祭』第三部や、ジョルジュ・サンドの哲学小説『スピリディオン』他との比較分析を行うものである。一見ジャンルもナショナリティも異なるこれらの作品を、「幻想」をキーワードに据えて見ていくことで、この時代に国家、民族、言語、性別、芸術分野を跨いで目指された思想を明らかにしていく。