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借用語彙知識による外国語の発音への音声的干渉に関する理論的・実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K12157
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分02060:言語学関連
研究機関上越教育大学

研究代表者

橋本 大樹  上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (90867300)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
キーワード音声産出 / 第二言語 / 借用語 / 英語 / 記憶 / 第二方言
研究開始時の研究の概要

借用語の発音と外国語の発音は今まで個別に議論されており、両者の関係は不明瞭な部分が多い。本研究の目標は「借用語の知識が外国語の発音にどの様に影響を与えるか?」という問いに答えることである。具体的には、外国語に対応する借用語の語彙頻度がどの様に外国語の発音に影響するかを、心理実験を行うことで明らかにする。一連の実験を通して「借用語と外国語の発音がどの様に記憶され、心的に処理されているか」という理論的問いに新しい知見をもたらす。

研究実績の概要

借用語の発音と外国語の発音は音声学・音韻論の分野で盛んに議論されてきた。借用語としての “ポスト” の発音は借用元の英語の “post” の発音とは大きく異なる。また日本人英語学習者が外国語として発音する “post” も、母語である日本語の影響を少なからず受けることが知られている。これらの借用語の発音と外国語の発音は今まで個別に議論されており、両者の関係は不明瞭な部分が多い。本研究では「借用語の知識が外国語の発音にどの様に影響を与えるか?」という問いに答える。具体的には、外国語に対応する借用語の語彙頻度がどの様に外国語の発音に影響するかを、心理実験、音響分析、統計分析を行うことで明らかにする。予測としては借用語としての語彙頻度の高い外国語の発音は、日本語の様な音声的詳細を持ち、外国語の訓練による発音の変更が起きにくいはずである。
このことを明らかにするため、Hashimoto et al. (2022) "Updating L2 phonetic memories: Shadowing training vs. listening training" (音声研究) と Hashimoto et al. (2024) "Investigating the Influence of Non-target Word Shadowing on Speech Convergence" (音韻研究) のデータを用いて分析を行った。しかし期待していた結果を得ることはできなかった。理論的予測が支持されなかった一つの原因に、外国語学習者のL2の知識とL1の知識の心的距離が既存の仮説で考えられていた以上に遠い可能性があることが示唆された。その可能性を突き止めるため、心的距離の近い第二方言と第一方言の干渉の様子に関する実験を行う必要があると考え、ニュージーランド英語話者を対象に実験を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

既存のデータを用いた初期調査では期待していた結果を得ることができなかった。そのため実験方法を抜本的に変更する必要が出た。そのため第二言語ではなく第二方言による干渉の効果を探ることを最初に行った。このことに加えて、習慣的な発音を分析するのではなく、文字プライムによって借用語からの干渉を引き出す必要があると考えている。具体的な研究方法を現在調整している。

今後の研究の推進方策

既存のデータを用いた初期調査では、日本人英語学習者の発音は借用語頻度に影響を受けている証拠は得られなかった。この初期調査では日本人英語学習者の閉鎖音の長さを分析していた。予想された結果が得られなかった理由として、外国語学習者のL2の知識とL1の知識の心的距離が既存の仮説で考えられていた以上に遠い可能性、借用語彙と英語の語彙が十分に結び付けられて記憶されていない可能性などがあげられる。1つ目の可能性については初年度にニュージーランド英語話者を被験者として分析することで探ることができた。(現在統計分析中である。) 2つ目の可能性に関して、残りの研究期間で検証したいと考えている。具体的には実験方法を抜本的に変更し、文字の提示によって借用語と英語語彙の関係をプライミングさせる実験を行う予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件)

  • [国際共同研究] University of Canterbury(ニュージーランド)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Preliminary results of NZE speakers' imitation of AmE DRESS vowel and modification of TRAP vowel2024

    • 著者名/発表者名
      Daiki Hashimoto, Jennifer Hay
    • 学会等名
      NZILBB Research Meeting
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 借用語知識による第二言語発音への干渉:帯気性の度合いに注目して2023

    • 著者名/発表者名
      橋本大樹
    • 学会等名
      Evidence-based Linguistics Workshop 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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