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大規模な実例データに基づいた修辞性を持つ構文の同一性・変異・伝播に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K12164
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分02060:言語学関連
研究機関九州大学

研究代表者

伊藤 薫  九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (30769394)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワードレトリック / 修辞表現 / 言語資源 / 構文文法 / 構成の反復 / 言語変化 / コーパス
研究開始時の研究の概要

現代では、影響力を持つ人物が発信した表現が、同一性を保ちつつ様々に改変されながら多くの人に繰り返し用いられ再発信される。本研究では、これを構文と修辞性の関わる現象と捉え、実社会での用例を大量に収集して構文の同一性、変異、伝播のしやすさという3つの性質について分析する。修辞性が関わる同一構文の拡散と伝播に関する基礎的な言語学的知見の整備を目指す。また、構築したデータはできる限り公開し、関連分野の発展に貢献するよう努める。

研究実績の概要

今年度は「構成の反復」と呼ばれる修辞表現に関する文献調査、構文に関する理論研究、用例収集とデータ構築を行い、成果について研究発表を行った。
構成の反復に関する文献調査として修辞技法についての和書・洋書を収集し、構成の反復に関わる修辞表現の分類について調査した。また、収集した文献の中から用例が豊富に含まれるものを選び、約1,000件の用例を電子化した。現在は構成の反復の典型例とみなすことのできる用例と関連するが別種とみなすべき用例が混在している状態なので、今後の研究に使いやすいよう整理する予定である。
また、構文に関する理論研究としては、構文文法と呼ばれる分野の文献を調査し、これまでの言語学において「構文」と呼ばれてきたものと、「構成の反復」で修辞効果をもたらす言語的特徴の関係を考える上での基礎的な概念を整理した。また、暗示引用と呼ばれる修辞技法との関連を考察した。
さらに、これらの基礎調査に基づき、電子化した用例に付与すべき言語的特徴を検討した。その結果、構成の反復を記述するには音韻・形態・意味という言語の基本的特徴を様々な粒度で記述することが望ましいが、付与の効率性を考慮し、既存のプログラムを利用してできる限り処理を自動化することとした。そのための枠組みとプログラムを自然言語処理の先行研究や、それらの研究成果として公開されているWeb上のツールから選定した。
加えて、この過程で得られた知見をもとに、言語学分野で構築される修辞表現についての言語資源が持つ性質を考慮し、自然言語処理分野で主に構築される言語資源の性質と対比しつつ、今後の効率的な言語資源構築のための戦略について研究発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当該研究課題のテーマは「大規模な実例データに基づいた修辞性を持つ構文の同一性・変異・伝播に関する研究」であり、「構成の反復」と「暗示引用」という2つの修辞表現を主な対象としているが、このうち「構成の反復」については当初の予定を超えて進展している。これは文献調査中に大量の用例が収録された文献を発見できたためである。
一方、「暗示引用」についてはSNS上のデータを機械的に収集する予定であったが、これはTwitterから収集する予定であった。しかし、Twitterが買収され2023年7月にXへ改称され、機械的なデータ収集についても制限が強くなったことから、当初予定していたようなデータ収集が困難な状況にある。このため、研究テーマのうち「伝播」についての目標設定を見直す必要に迫られている。

今後の研究の推進方策

対象となるう2つの修辞表現のうち、「構成の反復」については順調に進展しているため、2年目は用例に対する情報付与(アノテーション)を主に進め、言語資源構築と、容易に付与可能な特徴を用いた分析を主な課題とする予定である。
一方、「暗示引用」については【現在までの進捗状況】に記載した通り、用例の収集先について課題を抱えている。当初予定していたような話者を特定した上で引用・伝播の関係を捉えることは困難だが、時系列情報が紐づけられているテキストデータなど、若干情報の粒度を下げつつも代替となる用例収集先を探すよていである。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] レトリック言語資源整備の戦略2024

    • 著者名/発表者名
      伊藤 薫
    • 学会等名
      言語処理学会第30回年次大会併設ワークショップ 日本語言語資源の構築と利用性の向上 (JLR2024)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 「構成の反復」の並行性についての構文文法的記述の試み2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤 薫
    • 学会等名
      Evidence-based Linguistics Workshop 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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