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状態受動文を生成しうる動詞の語彙的な意味特徴の特定

研究課題

研究課題/領域番号 23K12165
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分02060:言語学関連
研究機関大阪経済大学

研究代表者

野間 砂理  大阪経済大学, 経営学部, 准教授 (70724970)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード状態受動文 / 動作受動文 / 過去分詞の素性 / 受動文 / 完了性
研究開始時の研究の概要

ドイツ語の受動文には、動作受動文と状態受動文の二つがあり、両者は統語的・意味的に区別される。しかし、動詞によって表される行為の一時的な結果状態を表す状態受動文は、述語に過去分詞を取るコピュラ構文と表層構造が同じであり、両者の区別は母語話者にとっても難しい。状態受動文の生成の可否は個人の語感に依拠するため、先行研究では状態受動文における過去分詞の動詞性と形容詞性の特定が意味論や語用論の分野で調査された。その際、議論の前提となる状態受動文を生成しうる動詞の語彙的な意味は特定されていないことを踏まえ、本研究課題では、母語話者が語感をもとに状態受動文の生成の可否を判断する意味的な基準が何かを特定する。

研究実績の概要

本研究は、ドイツ語の状態受動文における過去分詞の素性「形容詞性 vs. 動詞性」という未解決の学術的な問いを出発点とする。先行研究のように動詞を恣意的に限定せず、網羅的に調査することで、母語話者が状態受動文の文法性を判断する際の拠りどころとなる意味的特徴を特定することが本研究の目的である。
初年度は、Levin(1993)による動詞の意味分類を参考に、まずは調査対象となる動詞群(Verbs of Combining, Attaching, Separating, Disassembling, Change of Cutting, Creation, Transformation, Obtaining, exchange)を選んだ。次に、これらの動詞群に属すると考えられる動詞を辞書(DUDEN)から収集し、その動詞の過去分詞が用いられている4つの構文(現在完了形・動作受動文・状態受動文・コピュラ構文における過去分詞形形容詞)をコーパス(COSMAS II)で収集した。ドイツ語の状態受動文と過去分詞を持つコピュラ構文の表層構造は同じであり、ドイツ語母語話者にとってもその判別は難しい。そのため、とりわけ判別が難しい状態受動文とコピュラ文の仕分けに注意しながら意味上の差異を考察した。現時点では、Maienborn(2007, 2009)が状態受動文における過去分詞が表す結果状態はあくまで行為としての一時的な状態であるとの分析結果を提示しているが、それだけでは状態受動文の生成の可否は判断できないことが判明した。この調査結果は2024年度に論文として発表予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

勤務先を移籍し、専門外である「欧州のビジネス」の講義の準備に時間を要し、研究に十二分な時間を確保することができなかった。2024年度は研究の時間を優先的に確保する予定である。

今後の研究の推進方策

2023年度は調査対象となる動詞の抽出、その後、コーパスを用いてその動詞の過去分詞が用いられている構文の収集、それらのデータの分類と、意味特徴の分析を行った。2024年度はこれらの分類結果をもとに、状態受動文の生成の可否がどのような意味特徴に依拠するのかを特定する必要がある。
本研究テーマは、ドイツ語母語話者に取り上げられることが多いため、新しい先行研究の考察も必要である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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