研究課題/領域番号 |
23K12178
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
今村 圭 京都産業大学, 外国語学部, 助教 (70963156)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 中国語学 / 近代漢語 / 使役 / 明清白話 |
研究開始時の研究の概要 |
現代中国語において主に用いられるのは単音節の使役動詞であるが、歴史的にみると、2つの単音節使役動詞を組み合わせて用いている例が現れる(複合使役動詞)。これまで単音節の使役動詞に関しては豊富な研究が行われてきたが、複合使役動詞を詳しく分析した研究はほとんどなく、あったとしてもその存在を指摘する程度にとどまっている。本研究では、この複合使役動詞を取りあげ、明清時代における複合使役動詞と、複合使役動詞の構成要素となっている単音節使役動詞が単独で使用された際の用法の比較を通して、「複合使役動詞の用法はどのように決まっているのか」を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、2つの単音節使役動詞を組み合わせて用いている例(複合使役動詞)を取りあげ、明清時代における複合使役動詞と、複合使役動詞の構成要素となっている単音節使役動詞が単独で使用された際の用法の比較を通して、「複合使役動詞の用法はどのように決まっているのか」を明らかにすることを目指している。 初年度(2023年度)は、本研究に取り組むにあたり、まずは先行研究の調査および整理を改めて行った。複合使役動詞を主たる対象とした歴史的研究はほとんど見られないことから、単音節の使役動詞を対象にした研究の中に見られる複合使役動詞に関する記述を中心に整理していった。 先行研究の調査および整理を通して、従来の研究での不足点などを明確にした上で、まずは、明清代の代表的な白話(口語に接近した書き言葉)小説である『金瓶梅詞話』と『紅楼夢』に現れる複合使役動詞の用例の収集・分析を行った。歴史的研究において、どのような版本を用いるかの選択は非常に重要であることから、これらの作品の用例の収集・分析を行う前に、版本などの調査も行った。版本としては、『金瓶梅詞話』は日光山輪王寺慈眼堂所蔵本・徳山毛利氏棲息堂所蔵本影印(大安、1963年)を、『紅楼夢』は北京大学図書館蔵本影印(上海古籍出版社、1994年)を使用することにした。 両作品の用例の収集・分析を、現在全て終えたわけではないが、すでに調査を終えている『水滸伝』に現れる複合使役動詞との間に、共通点や相違点が見られ、そのような点についても今後考察を行い、1つの成果としてまとめていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
単音節の使役動詞を歴史的な観点から考察した先行研究が多く、その中に見られる複合使役動詞に関する記述を調査するのに、当初の計画よりも多くの時間を要したため、本研究の進捗がやや遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に引き続き、複合使役動詞の用例の収集・分析を行うとともに、見つかった複合使役動詞の構成要素となっている単音節使役動詞が単独で使用されている用例を、既存のコーパスなどを利用して収集・分析する。
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