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近代日本語における名詞の接続形式化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K12189
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分02070:日本語学関連
研究機関富山大学

研究代表者

川島 拓馬  富山大学, 学術研究部人文科学系, 講師 (50879666)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
キーワード日本語史 / 近代語 / 文法史 / 接続形式 / 文法化
研究開始時の研究の概要

本研究では、日本語の接続形式(「限り」「場合」「以上」など)を対象に、歴史的観点から考察を行うものである。種々の資料を調査して具体的な形式の変遷過程を明らかにすることを目指す。次いで、調査によって明らかとなった事実から変化の方向性を見出し、文法変化の様々な事例と照らし合わせることで、接続形式における変化の特質を解明する。更に、新聞や演説文など近代以降の公的な性格を持つ文章を取り上げ、文法変化と文体的特徴がどのように関係するかについても考察を進める。

研究実績の概要

日本語の接続形式を主たる研究対象として、①大正~昭和初期の演説における接続表現の使用状況、②古代語(主に平安・鎌倉時代)における「限り」の用法記述、について研究を進めた。
①近代における公的表現性を持つ資料として重要な演説を取り上げ、接続表現の分析を行った。まずは演説資料から接続表現を網羅的に収集し、その使用状況についての概要を示した。考察にあたっては同時期の雑誌と比較することにより、文章ジャンルとしての演説において特徴的な接続表現を示すことができた。結果として、雑誌においては文語文での使用が目立つ表現の方が演説において頻りに用いられることを指摘し、文体として口語文である演説の言語的に「堅い」側面について明らかにした。
②既に考察を行っている現代語の「限り」についての研究成果を踏まえ、その古代語における用法について分析した。まず「限り」の前接要素・後接要素の観点からその様相を記述し、現代語との比較によって古代語の「限り」の特徴を示した。具体的には、「限り」の否定形が前接する例が少なく、「名詞+の」に続く例は多く見られることを述べ、また後接要素については副詞節として捉えられる例と名詞節と捉えられる例の構造的な曖昧さを指摘した。次いで用法の観点から考察を行い、「~ない限り」のような仮定条件を表す例は現代語と異なり稀であること、程度修飾・数量修飾を表す例が中心的と考えられることを述べた。また「限り」の持つ「範囲」の意から各用法が派生する関係性についても考察を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

①が当初の計画にはなかった研究テーマであるが、結果的に当初掲げていたテーマに取り組むこと、また②の研究を論文として刊行することができなかった。しかし、①の背景には日本語における接続表現の歴史を考える上で重要な問題意識があり、研究を深化させる上では意義があると考える。よって、研究の射程を一部変更する形で課題に取り組むこととなり、結果的に遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

上記①と②のそれぞれについて、研究を進め成果を公表したいと考えている。演説の接続表現については、通時的な変遷については分析することができなかったため、この点について追加で調査を行い、多角的な考察を可能とすることを目指す。「限り」についてはまず古代語の様相についてまとめ、成果の刊行を行う予定である。次いで近代語の様相についても調査によって記述し、ある程度の整理を行いたいと考えている。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 大正~昭和前期の演説における接続表現の使用状況―雑誌と比較して―2024

    • 著者名/発表者名
      川島拓馬
    • 雑誌名

      富山大学人文科学研究

      巻: 80 ページ: 43-63

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 大正~昭和前期の演説における接続詞の使用状況2023

    • 著者名/発表者名
      川島拓馬
    • 学会等名
      近代語学会2023年度第1回研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 古代語の「限り」をどう整理するか2023

    • 著者名/発表者名
      川島拓馬
    • 学会等名
      第14回 富山日本語史研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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