本研究は、漢字を構成する部品(いわゆる「部首」やその他の構成要素)や字体の構造に着目し、文献上の実際の書例や、字書における部首分類の歴史的変遷を調査・記述することによって、中国と日本での漢字字体の差異、及び日本人の漢字字体の受容・理解の過程を明らかにするものである。 特に、(1)漢字の構成要素及び字体構造の変化の実態の把握 (2)字体選択の要因の分析 (3)部首分類の認識の変化の把握 といった3つの観点を軸に、漢字の字体構造に対する日本人の認識がどのように変化していったのか、その歴史の一端を明らかにしたい。
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