研究課題/領域番号 |
23K12214
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 神田外語大学 |
研究代表者 |
西 菜穂子 神田外語大学, アカデミックサクセスセンター, 准教授 (10770787)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 複数テキスト / テキスト処理 / 読解 / 文章作成 / 複数テキスト処理 / 文章産出 / 複数文書モデル / 大学生 |
研究開始時の研究の概要 |
大学での学業上の成功にあたっては、複数の文献を読み解き、その情報を統合し、内容を論文やレポートにまとめるという複合的な技能が必要となる。しかし、この読解と文章作成の両技能を用いる課題は、多くの学生が困難を感じるものであると同時に、指導も非常に難しい。さらに、複数のテキストを参照しながら文章を作成する過程については未解明な部分も多い。そこで本研究では、日本語を対象言語として、複数テキスト読解を含む学術的文章作成について、大学生と大学院生に見られる特徴的な事例を抽出し、その文章作成過程と書き手が使用するストラテジーについて、質的に丹念に分析することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、複数テキスト読解をもとにした日本語学術的文章作成過程の特徴を検証することである。具体的には、学術的文章作成のプロセスに組み込まれた複数テキスト読解と文章作成に対し、大学生・大学院生が読み手・書き手として行う活動について、特徴的な事例を抽出し質的に丹念に分析する。加えて、作成された文章の言語的・談話的特徴と文章作成過程の関係も検証する。調査にあたっては以下3点を主たる研究課題とする。(1)複数テキスト読解をもとにした日本語文章作成過程はどのような段階を経るか。(2)文章作成過程の各段階で遭遇する困難及びその困難に対処するためのストラテジーにはどのような特徴があるか。(3)作成された複数テキスト読解をもとにした文章には、どのような言語的・談話的特徴があるか。その特徴は文章作成過程と何らかの関係があるか。 初年次である2023年度は、関連先行研究の収集・レビューとともに、調査材料・方法の試作を行った。申請者が過去に実施した調査及び分析データの検討をもとに、調査材料、調査方法を仮決定した。調査材料試作に際して検討した項目は、①複数テキストのジャンル・長さ・トピック・テキスト間の関係性、②読解後に作成する文章のタイプ・長さ・予測される内容、③協力者の背景やテキストの難易度・馴染み度・理解度を尋ねるアンケートが主となった。産出過程の測定手法は思考発話法を用い、補足的に調査後に刺激再生インタビューを行い、協力者のメタ的な振り返りを促すこととする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
読解テキストの選定に時間を要し、調査開始がやや遅れているが、所属機関における研究倫理審査の承認は既に得たため、2024年度より、順次データ収集と分析へと移行する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は4段階での実施計画を立案している。第1段階は先行調査による調査材料・方法の決定、第2段階はデータ収集、第3段階はデータ分析、第4段階は、研究成果発表である。現在第1段階はほぼ完了したため、次年度以降、第2、第3段階のデータ収集とデータ分析へと移行する。 データ収集は、10名程度を目安としてパイロット調査を行う。調査実施と並行して、データ分析を進め、本調査用の調査材料・方法、手法を確定させる。その上で、産出過程を分析する上で必要となる分析単位・基準などを精査し、確定させた後、本調査に移行する。本調査は、20名程度を対象に行う予定である。 データ分析は、パイロット調査、本調査の実施と並行し、データの文字化と分析を進める。分析対象となる主なデータは、①読解・文章産出中の思考発話データ、②調査後のインタビュー、③産出された文章、④読解したテキストの理解度・馴染み度・難易度の4点である。質的な分析と併せて、一部は数量化した上で量的な分析も行う。 データ分析がある程度まとまり次第、順次学会発表に応募するとともに、論文化に向け、準備を進める。
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