研究課題/領域番号 |
23K12232
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
蔦原 亮 九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (90792432)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 熟語 / 構文 / 文法化 / 語用論化 / スペイン語 / コーパス / コロケーション |
研究開始時の研究の概要 |
外国語を使用する上で熟語の重要性は広く認識されているものの、その指導は黎明期にあり、的確かつ効率的な指導がなされているとはいいがたい。本研究ではそのための基礎資料として、スペイン語における熟語の使用頻度とその使用上の特徴を明らかにすることを目的とする。真に使用頻度の高い熟語 = 各学習レベルにおいて重要な熟語を明らかにし、公開することでスペイン語教育における熟語の指導をより的確かつ効率的なものにすることが本研究の狙いである。分析にはコーパスを用い、適宜インフォーマント調査を行うことで、質と量、両面からのアプローチを試みる。
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研究実績の概要 |
今年度はコーパスを用いて収集した 2-5 gram の連結から熟語、定型表現と思われるものを抽出する作業に充てた。これはコーパス、Spanish Web から当該の N-gram を使用頻度順に抽出し、目視で抽出していくというものである。この作業に並行して、その性質が興味深いと思われた、de manera/forma/modo + modificador 連結、ならびに、語用論化した decir を含む構文については重点的な分析を行い、論文化した。 前者はその定型性に関する議論である。これらの連結は形式上の定型性には欠けるものの、意味上の idiomaticidad を示し、またその使用頻度の分類から構文として位置づけることを提案したものである。本研究の視座から言えば、この結果は、熟語の下位分類の存在を示唆するものであり、今後の研究の基礎として位置づけられる。 後者はある語を含む構文の熟語化には一定の方向性があることを主張したものである。発話動詞 decir を含む構文は大量に存在し、その多くは談話標識や間投詞といった語用論的な機能を有している。こうした発話動詞の語用論化は自然言語に広く見られる現象であり。本研究では decir を含む構文は自由に語用論化するのではなく、より適切な表現を導入する、という機能の獲得に向けて語用論化していくことを確認した。このことは、熟語をトップダウン式に説明する手法の有効性を示唆するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたペースで N-gram の分析は進んでいる。また、先述の通り、当初は予定されていなかった構文の重要性が浮上し、今後は構文も含む形でリストの作成にあたりたい。
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今後の研究の推進方策 |
今後は引き続き、N-gram のリストを分析し、熟語を抽出していく。それに並行し、今年度は se trata de という構文に関する通時、共時両面からの研究も進めていきたい。
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