研究課題/領域番号 |
23K12241
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 高千穂大学 |
研究代表者 |
山田 浩 高千穂大学, 商学部, 准教授 (80824763)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 教員養成 / 責任感 / 外国語教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、小学校教員養成課程における外国語教育に対する責任感の育成方法の提案を目的とする。まず、現職教員を対象とする量的および質的調査を行い、教員の責任感を測定する既存の尺度を改良した上で、教員が抱く責任感の実態を調査する。次に、小学校教員を志す大学生を対象に、ケースメソッドを用いた指導によって、外国語教育に対する責任感がどのように育成されるかを明らかにする。本研究結果により、大学の小学校教員養成課程において、外国語教育に対する柔軟な責任感を育成するための方法について、具体的な示唆を提供できることが期待される。
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研究実績の概要 |
研究初年度は、教員の責任感を測定する尺度の改良を目的とする量的調査を実施した。まずキー・コンピテンシー(OECD, 2005)と21世紀型スキル(Griffin et al., 2012)に代表されるコンピテンシー概念について整理した。そして、コンピテンシーの育成を目指す教育の特徴を明らかにした上で、教員の責任感の定義と特徴を概観した。次に、学校教育という文脈に注目し、教員の責任感を測定するための尺度を開発したLauermann & Karabenick(2013)を取り上げ、尺度を構成する4つの領域(Student motivation[児童・生徒の学習動機]、Student achievement[児童・生徒の達成状況]、Relationship with students[児童・生徒との信頼関係]、Teaching[自分の指導方法])は、コンピテンシーの育成という教育の変化を十分に反映していないことを明らかにした。コンピテンシーとは教科の知識や技能を超えた人間性を含むものであるため、教員は児童・生徒の社会的能力の発達にも責任を感じることがある。また、教科横断的な指導のためには、他教科の教員や地域社会との連携が欠かせない。そこで、教員は児童・生徒だけでなく、教育活動に関わる周囲の存在から信頼を得られなかったときに責任を感じることがある。したがって、コンピテンシーの育成という視点から、児童・生徒の社会性の発達と、教員である自分と周囲との信頼関係という2つの領域を既存の尺度に追加した質問紙を作成した。この質問紙を用いて現職の高校教員104名を対象に調査を実施し、探索的因子分析と共分散構造分析によって尺度の改良を図った。尺度の改良後には、教員の年齢および教職経験年数と責任感の相関を分析し、その関係を横断的に明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
尺度の改良のために必要な人数の現職教員から、質問紙調査の回答を収集することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、質的調査によって柔軟な教員の責任感とは何かを明らかにする。量的調査と横断的な分析から明らかになった教員の年齢および教職経験年数と責任感の関係について、現職教員へのインタビューを通して、縦断的に検証する。具体的には、複数のベテラン教員に、今までの教員経験の中で、学校の特徴、役職、年齢、教育経験年数、学習指導要領の改訂等によって責任感に変化が生じたかどうかを振り返ってもらう。量的調査の結果と合わせて、責任感の中でも学校の特徴等の環境要因や教員の年齢および教職経験年数によって変化する領域と、変化しない領域を明らかにすることによって、柔軟な責任感を明らかにする。
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