近年、酪農史分野への関心が高まっているが、その研究蓄積は、未だ充分とは言い難い。本研究の目的は、第一期北海道総合開発計画第一次(1945~1956)の時代を中心に、戦後北海道において展開された酪農事業の検討を通じて、戦後北海道における人口定着の手段としての酪農の役割を抽出することにある。この作業を通じて、北海道において酪農経営が、移民の受入・定着という、戦前期以来の国家的課題のもとで推進されていたことを明らかする。本研究を遂行するにあたり、道内外の図書館・研究機関に散在している諸史料を調査・蒐集する。
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