研究課題
若手研究
本研究は、國學院大學の母体である皇典講究所の創設に携わった井上頼圀(1839-1914)を結節点とすることで、19世紀後半における近代アカデミズム周辺の国学ネットワークを解明するものである。新聞や雑誌など刊行物に掲載された頼圀の記事を集め、その動向と著述をまとめる。それらの作業から頼圀と交友の深かった人物をあぶり出し、彼ら/彼女らが遺したコレクションの調査に赴く。コレクションに含まれる書簡や日記資料から頼圀に関する情報を抽出するとともに、ネットワーク内でやりとりされたモノや思想を分析する。以上から、埋もれた人的・知的資源を掘り起こし、近代人文学の形成を支えた見えざる基盤を明らかにしていく。