研究課題/領域番号 |
23K12278
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
酒井 雅代 大妻女子大学, 比較文化学部, 講師 (30827655)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 近世日朝外交 / 対馬藩 / 幕府 / 朝鮮 / 幕閣 / 官吏 / 対外政策 / 蝦夷地 / 釜山 / 倭館 / 江戸幕府 |
研究開始時の研究の概要 |
幕府の対外関係の関心が欧米列強へと移り、「日朝外交への関心を失った」ように見える近世後期を対象にして、 (Ⅰ)対馬藩による日朝交渉の実態を、具体的に掘り起こしながら明らかにする。 (Ⅱ)対外関係を担った幕閣およびその官吏集団における朝鮮外交の位置を見極める。 (Ⅰ)で明らかにされる実態が(Ⅱ)にどのように反映されているのか、あるいはその逆はどのように影響しているのかといった、相関関係に着目しながら、幕府の対外政策とくに日朝外交政策を統合的に考察する。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、近世を通じて日朝関係が対馬藩に委ねられていた事実をふまえながら、近世後期の日朝交渉の実態と幕府の対外政策全体の中でのそれらの位置づけを具体的に追究しようとするものである。相互に異なるベクトルをもって展開した日朝関係史上の諸史実を丁寧に拾い上げ、それを対馬藩および幕府の朝鮮政策全体として再構成することを通じて、当該期の歴史像の再構成を目指す。 主な研究対象史料である対馬宗家文書は、日本国内各地および韓国国史編纂委員会に分散して所蔵されているが、本科研テーマについては、韓国国史編纂委員会所蔵のものが多く関係するため、主に韓国での史料調査をおこない、それを分析する形で研究を進めた。 今年度は、対馬藩の出先機関が置かれた釜山倭館を主なフィールドとして、日朝外交交渉の実態と交渉の過程を検討した。また、1800年前後(18世紀末~19世紀初頭)に幕府対外政策にかかわった諸役人の分析に着手した。 それらの研究成果の一部として、研究書籍の分担執筆2篇(「日朝関係と対馬藩」、「対外関係―近世日本の「内」と「外」」の項のうち「日朝関係」)、書評1篇(書評 岩﨑奈緒子『近世後期の世界認識と鎖国』)を発表した。また、第19回「訳官使・通信使とその周辺」研究会で書評報告、名古屋大学で開催のシンポジウム「人びとの近世史」で研究報告をおこなったほか、愛知県一宮市の尾西歴史民俗資料館で「江戸時代の外交使節」についての講演をおこなった。 来年度は、幕府と対馬藩のやりとりと「現場」への指示を関係づけ、幕府内・対馬藩内・「現場」で国家間交渉を支えた具体的な人物それぞれに着目しながら、誰によってどのように外交が動かされていたのかを明らかにすることが主な課題となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要欄に記載したが、韓国での史料調査も含め、研究計画通りに進められている。
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今後の研究の推進方策 |
すでに収集済みの対馬藩政史料の分析を進めるとともに、幕府や藩の意向がどのように影響しているのか、幕府のなかでどのような集団が主導しているのかを明らかにしていく予定である。これらは国内外での研究発表をおこない、研究を深化させていく。また、3年目(2025年度)以降を見据え、2024年度中に、幕府の対外政策にかかわる史料調査を進めていく。
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