研究課題/領域番号 |
23K12279
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
手塚 雄太 國學院大學, 文学部, 准教授 (60802767)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 日本近現代史 / 日本政治史 / 選挙運動 / 政治家家族 / ジェンダー / 世襲 |
研究開始時の研究の概要 |
現代日本政治において、政治家はもちろんその家族が政治家の選挙運動・政治活動を支えることは珍しくない。男性政治家が多い日本では政治家の夫を支える役割が妻に集中し、妻自身はキャリアや生活を犠牲にすることを強いられる。こうした個人に依存した日本の選挙運動は、議員志望者の参入障壁となり、日本政治のゆがみの原因にもなっている。 本研究は、現代日本で展開される個人とその家族の自己犠牲を前提とする選挙運動や政治活動のあり方はいったいいつから、どのように当然視されるようになったのかを、家族本人の語り記した史料、及び新聞資料を中心に明らかにするものである。
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研究実績の概要 |
現代日本政治において、政治家はもちろんその家族が政治家の選挙運動・政治活動を支えることは珍しくない。本研究は政治家家族の選挙運動への関与が、いつから、どのように始まったのかを歴史学的に検討するものであり、本年度はその初年度にあたる。 本年は、戦前期に選挙運動に従事した政治家家族に関する基礎調査として、政治家の配偶者(戦前においては妻)の氏名を把握するため、画期と思われるいくつかの選挙での当選者をピックアップして、妻の名前を悉皆調査した。すべてのデータが整っているわけではないので、来年度もこのデータの収集に努めるとともに、データをもとに、本年度は実施できなかった個別の出張調査の手がかりを探していきたい。 また、本年度はこれまで研究代表者が未調査だった1942年の翼賛選挙に関する調査を進めるため、『朝日新聞』の地域版データベースを活用し、研究協力者の助力を得て、期間を限定して網羅的に新聞記事を収集し、選挙運動における家族の姿を追った。あわせて選挙当選者のデータを整理するなかで、個別の候補者についても調査を進め、妻の関与が確認できる政治家の伝記や雑誌記事などの収集にも努めた。 このほか、ある政治家の未整理個人文書の整理も進めることで関連史料の収集も行った。 研究成果については、2023年度に代表者が所属する國學院大學と、協定校であるルーヴェン・カトリック大学(ベルギー)とのあいだで開催したワークショップ(於ルーヴェン・カトリック大学)において、英語と日本語を交えて同大学の教員や学生に向けて発表するなどした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
戦前期に選挙運動に従事した政治家家族に関する基礎調査は進みつつあり、翼賛選挙についての調査は概ね終了した。1932年までの選挙では妻が選挙運動に関与していることを示す新聞記事は毎回、何らかの形で存在していたが、翼賛選挙では、妻の関与を示す新聞記事はあまり見つからなかった。戦時下で行われた特殊な選挙であった性格も反映してのことであろうが、そうした記事があまりないということがわかったこともひとつの成果である。 また、政治家の伝記などを確認していくと、妻が政治運動に関与していることが記述されていることが存外多いことを知ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
翼賛選挙については、妻の選挙運動への関与はほとんど見られなかったものの、この選挙自体の調査は進んだため、本研究課題の関連研究成果として、論文としてまとめたい。 また、今後は調査した妻の氏名をもとに個別の調査を進め、史料群のある調査対象が見つかり次第、調査出張を進めるとともに、特に画期と思われる1915年の第12回総選挙に関する調査を進めていきたい。
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