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沖縄戦から占領初期にかけて食糧問題に交差する移動と労働の政治

研究課題

研究課題/領域番号 23K12281
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分03020:日本史関連
研究機関同志社大学

研究代表者

謝花 直美  同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (70966879)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワード沖縄戦 / 戦時食糧 / 飢餓 / 移動 / 労働 / 沖縄戦後史 / 食糧
研究開始時の研究の概要

本研究は、沖縄戦と占領初期を食糧問題から考察する。沖縄戦時から占領初期にかけて住民が餓死や飢餓由来の病で死亡したが、これまで食糧問題が重視されなかったため実態は不明である。住民は食糧政策の関係もあり戦時の日本軍と沖縄県、さらに占領初期には米軍によって移動を繰り返させられた。食糧自給の不調、配給制度崩壊の結果、飢餓や餓死が起きた。食糧問題として移動と労働が交差することで、人々を死に追いやる政治が形成されたことを明らかにする。

研究実績の概要

沖縄戦と占領初期を食糧問題から考察するために、初年度は、地域での飢餓の現れ方について調査した。対象としたのは沖縄県宮古島市である。沖縄戦直前に軍飛行場建設のために、当時住民人口約6万人に新たに約2万人の日本軍が駐屯した。戦時には上陸戦はなかったが空襲が連続し食糧増産がままならず、補給も途絶した結果、食糧が不足し多くが飢餓に追い込まれた。現地では、沖縄戦・宮古馬研究者に、沖縄戦時の様子について聞き取り調査した。宮古島市立図書館、同市総合博物館で資料調査を行い馬産地であった地域の歴史文化的背景に関する知見を得た。地域誌や自分史から馬の食糧化と飢餓を巡る証言を抽出し、食糧逼迫による日本軍と住民関係変化について馬を媒介に考察した。馬を「食べる」行為は、徴発や空襲死を経て引き起こされており、従来食用でない家畜だけに軍民関係に関する多様な記述が残されていた。2023年12月の同時代史学会大会で報告し、馬を巡る証言の現れ方などについて貴重な意見をえることができた。今後は、宮古島に加え、飢餓で多くが死亡した沖縄島北部の事例を考察する予定である。
並行して沖縄戦食糧問題の全体像をつかむために、戦前に沖縄県内で発行された新聞から戦時食糧にまつわる記事収集を継続している。『沖縄県史』など地域史、日本軍史料など沖縄戦研究の基礎資料を食糧の観点から再検討を進めている。日本全体の戦時食糧体制を確認するために、12月に沖縄県外の公文書の調査も着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

戦時期の食糧生産体制分析のために、当初研究計画に含めていなかった前後の時代の農業関係の資料収集と調査を行った。そのため、当初計画より若干の遅れがでた。沖縄の農業概要について得た知見を、2年目以降の研究に活かすことで、遅れは研究計画全体で調整できる予定である。

今後の研究の推進方策

2年目は、沖縄島北部地域を対象に、食糧を巡る軍民関係の変化を考察する。また補給や増産政策について台湾や県外調査に取り組む。並行して地域史を食糧の視点から分析する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 馬の食糧化から考察する沖縄戦飢餓--沖縄島北部と宮古島の事例から2023

    • 著者名/発表者名
      謝花直美
    • 学会等名
      同時代史学会2023年度大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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